厚生労働省のウェブサイトを見ると、「生涯のうちにガンにかかる可能性は、男性の2人に1人、女性の3人に1人と推測されています」とある。がんにかかることは決して珍しいことではない。つまりは、カナダでがんと診断されて、治療上の疑問や悩みや不安をかかえながら生活している人も多いのではないだろうか。

 がん患者の交流会、サロン樹(みき)は、がんで今、闘病中の人や、治療を終えた人などが、その体験や情報を共有するための場所だという。

 現在、自身もがんで闘病中のShigemiさんが主催している。BC Cancer Agencyでがんが転移した女性のグループのことを知ったのがきっかけで、交流会を始めることになった。日本語でも同様のグループがあったらいいなと思い、BC Cancer Agencyのカウンセラーに相談した。カウンセラーから日系コミュニティのボランティアの集まりということで、隣組に連絡がいき、サロン樹の活動が始まった。

 「特に日本人女性は気持ちを出さない傾向にあるように思います。友人にも話さないと言う人もいました。でも話すことで、気持ちを落ち着かせることができるかもしれません」とShigemiさんは語った。

 当初は隣組で第2、第4木曜日と月2回集まって、情報交換をしたり、悩みを話したりしていた。新型コロナウイルス感染拡大で隣組が使用できなくなって困っていたら、Shigemiさんが働く、バンクーバー市内の陶板浴サロンのオーナーが厚意で場所を提供してくれることになった。

 現在、交流会は新型コロナ感染防止策として、参加者数を6人までに限定して開催している。「少人数のほうが話しやすいと感じている人が多いようです」とShigemiさんはいう。「情報交換を行ったり、元気になる曲を紹介しあったこともあります。自分だけじゃない、同じように戦っている人がいると感じることで、精神的な支えにもなると思います」

 参加資格は男女は問わない。

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樹(みき)の意味~前向きな成長、自分に打ち勝つ
“一本の細い苗木から、緑の葉を多くしげらせた大木に”
 

目的
出来るだけ多くのがん経験者が、”参加しやすい” ”話しやすい”場所でそれぞれの体験情報を交換しあい、勇気、元気、そしてパワーを持てれる場所となれる事を目的に。

目標
がん患者がここでの交流を通して、”自分だけががん患者ではない”という気持ちで不安や心配による孤独感から抜け出せれるきっかけになれる場所に。

問い合わせ shigemim50@gmail.com (Shigemiさん)