カナダde着物
第2話 季節*初秋 重陽の節句
“人とは良いところとお付き合いするといい”と言われます。誰でも長所と短所があり完璧な人はいないでしょう。着物も同じで、どの素材にも良し悪しがあり、目的にあったものを選ぶことは、着物と付き合う大事な要素だと思います。
着物には大きく分けて織物と染物があり、織物がカジュアルで染物がフォーマルとなります。
基本的に6月と9月は単衣の季節です(*1)。そこで活躍するのは第1話でご紹介したおしゃれ着浴衣がございます。
そして、着物通の方に人気の高い紬(つむぎ)を忘れてはならないでしょう。紬は“織着物のシンデレラ”と勝手に名付けておりますが、繭から生絹を取れなかったくず絹から作られ、大変手間の掛かる高い技術が必要となる先染平織りの素材です。
紬を語ると長くなりますので割愛させていただきますが、元々は農家の野良着であったこともあり、正装としては着ることはありません。しかし、その丈夫さと風合いの良さは着物愛好者をメロメロにするようです。
皆さんがこちらを聞いて思い出すのは、ジーンズではないでしょうか。海の向こうで同じ運命をたどり人々から愛される素材だと知ると感慨深いですね。
ですので、紬を着る時はおしゃれなカジュアル系で軽快に装うと素敵かなと思います。
(*1)6月と9月はお天気が安定しない期間でもありますので、その土地の気候に合わせて素材は選んでも良いそうです。
“素材の格×目的で着分けよう!”
「日系のお祭りで何を着る?」
9月4、5日に日系文化センター・博物館で催されたサマー・アット・日系ガーデンへ行って参りました。今年はコロナ禍の為、人数制限や規制もあり静かなお祭り風景となりました。
日系文化センター・博物館では1年を通していろんな日本文化に関るイベントが愉しめます。「カナダで着物。どこに着ていけばいいの?」とお考えの方、是非こちらへ着物姿でお出掛けしましょう。
9月は昼間はまだ日差しが強く、夕方から肌寒い日もあります。「何を着ていこう…」と考えてしまいます。もちろん夏祭りには浴衣がぴったりですが、先出の紬も良いかも知れません。
お祭りには、和装や和雑貨のベンダーさんがいますので、カナダでそれらを手に入れる絶好のチャンス!です。
今回も可愛いものが揃ってましたよ。
館内では、中古品の和物雑貨や着物、小物が販売されてました。カナダ移民の先輩方が残してくださった物をありがたく使わせていただきましょう。ビンテージ品にも出会えるかも知れませんね?
Japanese Bakery – Kanadell
https://www.kanadell.com/
Pac West Import Export Ltd
https://kimono.pacwestie.com
「お寺で七五三のお祝いしませんか?」
瞬く間に過ぎていった今年の夏ですが、暦の上では既に秋となりました。
和の学校@東漸寺では、今年も七五三のお祝いを計画しております。
ただ、昨年までのような合同のご祈祷などは出来ませんので、完全予約制の個別式で着物レンタル、着付、記念写真撮影などを承ります。
詳しくはコナまでお問い合わせ下さいませ。
日時:随時受付けております。
会場:東漸寺館内
209 Jackson St, Coquitlam
お問い合わせ コナともこ tands410@gmail.com
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
Facebook https://www.facebook.com/tomoko.kona.98