カナダ緊急対応給付金CERB(Canada Emergency Response Benefit)に代わる新たな救済策カナダ復興給付金CRB(Canada Recovery Benefit)の申請が10月12日から始まった。
カナダ政府によると初日の申請数は240,640件。初日はカナダ歳入庁(CRA)のサイトが一時うまく機能しなかった中でこれだけの申請数があり、国民が依然として収入を確保できない現状が示された。
カナダ全体ですでに新型コロナウイルス感染拡大による第2波が始まっている。特にケベック州やオンタリオ州では9月から感染者が急増。モントリオールやトロントなどでは10月に入り、レストランやバー、スポーツジム、シアターなどの利用が一時的に制限強化されている。
そうした背景からもCRBを必要とする人がかなりいるとみられている。
CERBとCRBの違いとは?
CERBは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、失業したり、収入が激減したりして生活に支障をきたす国民を対象にカナダ政府が4月から実施。
一定の条件を満たせば、4週間2,000ドルを最大7回(28週間)申請できる現金支給策。9月27日で終了した。
このCERBに代わって10月12日から申請開始になったのがCRB。減収の埋め合わせ的な現金支給CERBから、就職するまでの支援という経済活動への移行対策として新たに導入された。
対象は求職期間中でも雇用保険(EI)の適用から除外されている国民で、フリーランスや自営業者などがこれに含まれる。支給額は1週間500ドルで、2週間分1,000ドルを1回の申請で受給。必要な場合は2週間ごとに申請が必要で26週間分申請できる。
ただし申請期間中に就職活動を行うことが条件となっている。
カナダ政府CRBサイト: https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/benefits/recovery-benefit.html
介護給付金、病欠給付にも多くの申請
カナダ政府はCERBの代わりに3支援策を発表した。その一つがCRBで、他の2つは、カナダ復興介護給付金CRCB(Canada Recovery Caregiving Benefit)と、カナダ復興失業給付金CRSB(Canada Recovery Sickness Benefit)。この2支給策は10月5日から申請が始まっている。
政府によるとCRCBの申請数は1週間で107,153件、CRSBは58,659件という。
連邦政府は支援策を発表した当初からCRCBの申請は約70万件あると予測。新型コロナが原因で子どもや家族などの世話をしなければならないため働けない場合に申請できる。支給額は1週間500ドル、最大で26週間申請できる。
CRSBは新型コロナに感染、もしくは自己隔離を余儀なくされたために働けない場合に申請できる。支給額は1週間500ドル、1回の申請で最大2週間1,000ドルまで。
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