レジリエンス(困難に負けない)基金
日系文化センター・博物館が2020年9月22日に20周年を迎えた。オープン以来、日系祭りやクラフト&ベイクフェア、植木市など、様々なイベントが開催され、日系コミュニティを中心に多くの人が集まる場所となっている。
また博物館では日系人の歴史や日本の文化、現代アートなどを展示しているほか、カナダ全土におよび日系人の歴史に関する実物資料の収集や管理も行っている。『バンクーバー新報』の41年分の新聞も博物館への寄贈が決まっている。
その日系文化センター・博物館は、今、困難の中にある。新型コロナウイルス感染の拡大で、多くのプログラムやイベントは中止になったり、人数を制限して行うなどで、収益が大幅に減少しているという。
今後も引き続き、コミュニティの人たちが集まる場所としての機能を果たし、日系人の歴史を保全していくためにも、コミュニティからの支援を呼びかけている。
日系文化センター・博物館では、公共料金、庭園維持、建物管理など一日当たり350ドルの維持費が必要だという。さらに、世界中から博物館のデータベースへのアクセスできるようにすることを目指していて、その費用に1カ月分150ドルを要する。
現在、博物館は
・4万1000枚を超える写真
・650件のオーラルヒストリーの音声資料
・38メートル相当の紙や文字の記録資料
・156本の映像
・2600点を超える美術品など
を収蔵しているほか、寄贈品も毎年寄せられている。
寄付のウェブページ: https://centre.nikkeiplace.org/support-us/resilience-fundraiser/
小切手郵送ほか、オンライン、電話での寄付も可。
問い合わせ: kgoshinmon@nikkeiplace.org TEL: 604-777-7000(内線110)
最新展示、破られた約束
日系文化センター・博物館で、9月に最新展示『Broken Promises (破られた約束)』が始まった。カナダ政府の援助を得て実現したもので、オープニング式典の様子をYouTubeビデオで公開している。
カタログもデジタル化されている。英語とフランス語のみで日本語はないが、写真も豊富に掲載されている。副題”The Dispossession of Japanese Canadians(日系カナダ人の財産没収)”とあるとおり、太平洋戦争で強制収容所に送られた日系カナダ人が家や船舶などの財産を奪われた歴史、カナダ西海岸からどこに移動したか知ることができる。
英語カタログ: https://centre.nikkeiplace.org/wp-content/uploads/2020/09/2020-09-23-LOI-e-catalogue_En.pdf
開館時間: 火曜~土曜、10時~5時
入場料: 大人 5ドル、日系文化センター・博物館会員および学生 無料
(取材 西川桂子)
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