ケベック州の首都ケベックシティーで、ハロウィンの10月31日夜、日本刀のような刃物を持った男が、近くにいる人たちを切りつけ、2人が死亡、5人が負傷した。
事件が起こったのは、ユネスコの世界遺産に登録されているケベックシティの旧市街の州議事堂周辺で、男は中世風のコスチュームに身を着けていた。
最初の通報があったのは31日午後10時半頃で、ケベック警察ではツィッターなどで屋内に留まるようにと周辺の住民に対して呼び掛けた。24歳の男性、Carl Girouard容疑者が第一級殺人の容疑で逮捕されたのは、それから約3時間後の11月1日午前1時頃とされている。
ケベックシティ警察のRobert Pigeon署長は、11月1日に行われた記者会見で、「容疑者はモントリオール郊外から『できうるかぎりの”ダメージ”を与える』という意図でケベックシティを訪れた」と語った。また「被害者については無作為に選んだとみられる」という。また、初期捜査では、Girouard容疑者と過激派組織との関連は確認されていない。
ジャスティン・トルドー首相は”ケベックの人たちへ”として「悲劇に襲われた人たちと(心は)ともにあります。また、被害者François DuchesneさんとSuzanne Clermontさんのご家族にお悔やみくを申し上げます」とツイッターに投稿した。
ケベック警察の話では、容疑者によると2014年に脅迫を行ったことがあるらしいが、警察の記録にはない。ケベック市のRégis Labeaume市長は、事件後の記者会見で(容疑者が犯行に至った)理由は明確ではないものの、「このような悲劇の裏にはメンタルヘルスの問題があります。メンタルヘルスの問題に取り組む必要があります」と語った。
ケベック州は11月2日、メンタルヘルス対策として、1億ドルを来年度に投入することを発表した。