ジャスティン・トルドー首相は9日、次期アメリカ大統領ジョー・バイデン氏と電話で会談したとツイッターに投稿した。
バイデン氏が副大統領時代から知っている仲を強調し、以前にも協力してさまざまな課題に挑戦したが今回もまた両国が協力して、環境問題や新型コロナウイルスなどの課題に挑戦していける準備がカナダにできていると投稿している。
トルドー首相は3日の会見では大統領選について聞かれると「選挙の結果を注意深く見守っている」と述べるにとどまった。その後も、会見でアメリカの選挙を聞かれるたびに、同様の回答を繰り返した。
そして7日、選挙結果が分かるとその日のうちに、ツイッターに祝辞を投稿。ドナルド・トランプ大統領が敗北宣言をしていないうちの祝辞は尚早ではとの質問に、9日の会見で「週末にバイデン次期大統領へ祝辞を贈れたことをうれしく思っているし、1月20日までは現アメリカ政権と連携していく」と語った。
トルドー首相事務所によると、バイデン次期大統領と電話会談した海外の首脳はトルドー首相が最初だという。
カナダの政治専門家は早々にワシントンDCでバイデン次期大統領と非公式にでも面会するのがいいだろうと語っている。
一方、アメリカの大統領は就任後初の公式外遊先はカナダであることが慣例となっている。例外的にメキシコを訪問した大統領もいるが、トランプ大統領は結局一度もカナダを公式訪問しなかった。唯一2017年にケベック州シャルルヴォワで開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)に参加した時に来加した。
カナダと縁があるハリス次期副大統領にも祝辞
9日の会見でトルドー首相は次期副大統領カマラ・ハリス氏についても言及し、アメリカで初の黒人・南アジア系女性が副大統領に就任することは金字塔となるだろうと語った。
「カナダや世界中の多くの人々が黒人・南アジア系女性がアメリカの次期副大統領に選ばれたのを見て刺激を受けただろうと思う」と語った。
当選確実が発表された7日には、クリスティア・フリーランド副首相が祝辞。「個人的にもお祝いを伝えたい」と語り、「今回の勝利は、女性・少女、そしてこの大陸の有色人種の人々に大きな刺激を与えた」と投稿した。
また黒人系女性で初の公式連邦政党の党首となったグリーン党アナミー・ポール氏もアメリカ史上で最高位の女性となったことに敬意を払うと語った。
ハリス次期副大統領はカナダとの縁も深い。高校時代を含めケベック州モントリオールで5年間過ごしたという。科学者である母親がマックギル大学に研究員として赴任したのはハリス次期副大統領が12歳の時。それから高校卒業までカナダで過ごしている。
ほかにもカナダ保守党エリン・オトゥール党首や、新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首も祝辞を投稿している。