カナダde着物
第8話 季節*師走
12月に入りまして街はクリスマス一色、イルミネーションがまばゆく感じられます。早いもので、今年もくれようとしています。どんな1年でしたでしょうか。
もちろん世の中はコロナ禍で混沌とした雰囲気はありますが、子供も大人もクリスマスが近づいて来ますとワクワクしますね。
「週末、何する?と言える贅沢な時間」
例年でしたら12月の毎週末はパーティーや忘年会に追われているかも知れませんが、今年は「週末、何する?」と家族に話すことが多いです。そのフレーズはどこか懐かしく、遠い昔の学生時代を思い出します。夫も子供もいなくて、家の雑用も少なかった若いころ、ぽっかり空いた週末を何して過ごそうか考える金曜日。今から思えば、なんと贅沢な時間でしたしょう。
私の周りの環境は昔と違いますが、2020年はそのような気持ちにリセットさせてくれました。今のこの状況は、きっと過ぎてしまえば矢の如し。永遠に続くものではないと信じたいものです。
「クリスマス、様々なシーンで活躍する着物」
クリスマスシーズンに華やかに装うことは愉しみのひとつでもありますね。ドレスも素敵ですが、和装姿は少し派手めにクリスマスコーデをしても上品さが残り、華やかさもドレスに負けないぐらい装えます。
旅行先でクリスマスパーティーへ参加するときも大活躍します。スーツケースに入れても皺になり難くい素材、ウール、混綿、混麻、ポリエステルなどで、汚れが目立ち難い濃い目の色を選ばれると良いかと思います。
帯は荷物を減らすために半幅帯にし、色目はやはりクリスマスカラーがいいですね。
「クリスマス茶会で遊び心」
日本でもクリスマス茶会の様子が多く見られるようになりました。私がカナダで通う茶道グループでは、毎年“ホリデー茶会”が行われます。いつものお茶会より遊び心がいっぱいで、心待ちにしております。(今年はキャンセルとなり残念です。)
1年に1回あるクリスマスのために着物と帯を揃えるほどでは…という方には、自前の帯をDIYしてテンポラリー帯が作れます。こちら、去年のホリデー茶会での着物です。グレーの色無地着物と、黒い帯がありましたので無地の裏側を使いまして、スノーフレークの紙製オーナメントを軽く縫い付けました。
実はこのやり方で、ハロウィンやバレンタインデイなども帯に装飾ができるのです。カジュアルなパーティーでいかがでしょうか。
「日本の呉服屋さんにはクリスマス柄の着物が増えてます」
日本の他文化を受け入れる柔軟さは、世界一なのではないかといつも思います。日本の着物市場には次々にクリスマス柄が増えて来ました。インターネット販売で検索しましたら、沢山の写真が出てきます。
千円前後で楽しめるクリスマス柄の半襟(*1)も気軽に愉しめていいですね。
(*1)半襟はんえり 半衿とも書きます。
着物に下に着る「長襦袢」ながじゅばんに付ける「襟」のことです。直接、着物に首の汚れが付かないように保護する長細い布です。こちらを長襦袢に縫い付けます。白半襟は着物とお顔の間に入り両方を際立たせます。刺繍、染めやプリントのある半襟はお洒落のポイントにもなります。
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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