カナダde着物
第11話 季節*大寒
一年の中で最も寒いといわれるこの時期は、昔から寒さを利用して酒や味噌を仕込んだり、体を鍛えるために寒稽古や寒中水泳をしたり、体を温めるために生姜を積極的にお料理に使ったりするそうです。
草木染(*1)も寒いこの時期の冷たい水で鮮やかな色が出るそうです。
そしてハレの行事が続いて疲れた身体と精神を整えるために、ヨガでは「ファスティング(断食)」をする方もいますね。茶道では立春のころまで「夜咄(よばなし)」という真っ暗な中で行われる茶事があります。無駄を削ぎ落とし、五感を研ぎ澄ます心身のリフレッシュ方法なのでしょうね。
「本当におしゃれな人は無地に始まり無地で終わる」
着物ではハレとケがドレスコードになると以前述べましたが、どの場面でも活躍する着物のひとつが色無地着物(*2)です。
こちらは、着物通の方々は口をそろえてお勧めするのではないでしょうか。
私も着物を愉しみ始めたころは、柄が華やかな訪問着や付け下げに目がいきましたが、最近では色無地、ぼかし、霞(かすみ)などが重宝だと感じます。それは目的を限定せず、多種多様に着こなしができることが魅力だからでしょう。
YOUTUBEでも色無地着物の説明をされていました。
www.youtube.com/watch?v=4FLoBXRU_Jg
www.youtube.com/watch?v=HPfFXxTGUHs
(*2)色無地いろむじ着物の解説 きもの屋さんのブログから
https://wa-wawa.jp/blog/blog-1960/
「どんなドレスコードにも対応可能!」
着物のドレスコードで大切となる着物の格ですが、色無地はとても分かりやすいです。地紋(*3)や家紋(*4)の有無や家紋数でフォーマル度が変わります。そして帯の合わせ方で1枚の色無地着物の用途は限りなく広がります。
ファッション雑誌でよく見かけますフランスのお洒落な方々が、黒のハイッネックセーターを色々なスカーフで装うのと似てますね。
「シンプルな着物には、帯や小物で個性を出します」
お洒落さんが色無地着物を選ぶ理由に、帯や小物で遊べるということがあるでしょう。季節の行事やイベントに合わせて、またはご自分の好きな図柄や作品を選ぶこともできますね。
私もワンランク上の着こなしを色無地着物でしてみたいです。
(*1)草木染くさきぞめ
(*3)地紋(じもん)
織り方の組織や糸使いの変化によって織物の地に織り出した文様。縮緬(ちりめん)、綸子(りんず)、繻子(しゅす)、羽二重(はぶたえ)などが代表的である。
(*4)家紋(かもん)
家のしるし。図柄は、名字にちなんだもの、家の歴史的事跡を記念するもの、信仰にちなんだものなど多数ある。昨今では家柄に関係なく“おしゃれ紋”などもある。
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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