子どもだけなく、大人も楽しむ『ひな祭り』

    日系センターでひな人形の展示、
    グラッドストーン日本語学園をはじめ日本語学校でも行事

    日系文化センター・博物館のひな人形 ©Nikkei National Museum & Cultural Centre
    日系文化センター・博物館のひな人形 ©Nikkei National Museum & Cultural Centre

     3月3日にひな人形を飾り、桃の花やひな菓子、白酒を供える“ひな祭り”。“桃の節句(もしくは節供)”ともいい、女の子の健やかな成長を祈りお祝いする。

     さらに最近では子どものみならず、大人の女子も、ひな人形や桃の花を飾り、ちらし寿司やてまり寿司といった食事、スイーツを用意して、自分のために楽しむことが増えているという。

    ひな祭りの歴史

     桃の節句、ひなの節句は、上巳(じょうみ)ともいい、陰暦3月初めの巳(み)の日に、人の形に紙を切り抜いた”ひとがた”で体をなでて、けがれを移したひとがたを海や川に流す行事だった。

     これが流しびなの起源とも言われている。上巳はのちに3月3日に行われるようになった。流しびなは平安時代の記録にすでに登場する。

     ひな人形や諸道具を飾るためのひな段が見られるようになったのは江戸時代のことで、初期の簡素なものから、ひな祭りが盛んになるにつれて、人形や道具も賑やかになり、ひな段の数も増えていった。

    日系文化センター・博物館のひな人形

     メトロバンクーバーでも、例年であれば日系文化センター・博物館(日系センター)で2月のファミリーデイに合わせて、ひな祭りの要素を取り入れたお茶会や撮影会を、またコキットラムの東漸寺でもひな祭り茶会を開催している。(連載コラム「春を感じて*ひな祭り」)

     パンデミックで撮影会やお茶会は行うことができなかったが、日系センターは現在オープンしていて、ロビーにひな人形を飾っているので、見学や記念撮影をすることもできる。

    5歳児クラスの子どもたちがおひな様の前で記念撮影 ©グラッドストーン日本語学園
    5歳児クラスの子どもたちがおひな様の前で記念撮影 ©グラッドストーン日本語学園

     また、日本語学校でも授業の一環でひな祭りについて学んだり、クラフト・工作を楽しんでいる。

    ひな祭りの料理

     ひな祭りの定番の料理といえば、ちらし寿司。海鮮ちらし寿司にすれば、酢飯を用意して、お刺身で飾り付けると、すぐに完成する。丸くかわいい手まり寿司も、テーブルが華やぐとひな祭りパーティメニューとして人気が高いという。

    酢飯

    材料

     2合
     2合
    昆布 5cm
    合わせ酢 (米酢 大さじ4、砂糖 大さじ2、塩 小さじ1)

    1.昆布を加えて普通に炊飯。
    2.合わせを混ぜ合わせておいて、 炊き上がったご飯を寿司桶かボウルにあけ、合わせ酢をまわし入れて、1分ほどおく。
    3.ご飯を切るようにして、うちわであおぎながら混ぜる。

    手まり寿司

    1.酢飯を丸めて、小さなボール状にする。
    2.ラップに、切った刺身を置いて、その上に酢飯のボールをのせる。
    3.ラップを絞って形を整える。

     大人がひな祭りを楽しむとき、ちょっとした工夫で食卓に華を添えることができる。公邸料理人竹内シェフのアイデアも参考に。

    無洗米と和牛を使ったちらし寿司

     アメリカの在ナッシュビル日本国総領事の公邸料理人が無洗米と和牛を使ったちらし寿司の作り方をインスタグラㇺで公開している。牛肉は和牛でなくても!
    https://www.instagram.com/p/CE__DkZBgfa/ (投稿を見るにはインスタグラムのアカウント必要)

    (取材 西川桂子)