カナダde着物
第14話 季節*春分
ひな祭りが終わりますと、バンクーバー界隈で桃の花や早咲の桜もそろそろ咲き始めるでしょうか。有難いことに、こちらカナダにいても日本のように春の花々を愛でることができます。
植物は芽吹き、冬ごもりをしていた生きものが姿を表し、私たちも活動的になりますね。
「色に出会う」
私は日本に住んでいる頃、建築やインテリア関係の仕事をしていたため、色の見本帳は手放せないアイテムでした。色の勉強は学校でしましたが、実際にデザインしたものを注文し納品されまでは、毎回ドキドキしておりました。
色は好みに個人差があり、文化背景や宗教でも違いがあり、心理学にも使われていたりと、とても奥の深いものです。
以前、カナダ人に「どんな色が好き?」と聞かれた時に、「黒や白が好き」と答えましたら、「黒と白は色ではないよ」と言われ、一部の西洋文化では、黒と白は色とは別のものなのだと知りました。
水墨画の世界では「黒から白の間には千の色がある」といわれます。感覚の違いというものは、育った環境で大きく変わるものだなと思いました。
加えて「カナダでは色はColor ではなく、colourね」とも言われました。笑
「国により異なる色のイメージ」
世界をまたぎデザインのお仕事をされている方々は、その国の色彩感覚に合わせ、色を選ぶことが多いかと思います。それはその土地に馴染んだ色がその土地の人が好む色だからだそうです。
その反面、ネガティブな想像をしてしまう色もあるようです。公の場で使う時には、配慮が必要になるでしょう。
ただファッションとして使う色は、冠婚葬祭での儀礼の場などの色とは、別の世界なのだと考える方が誤解を避けられるのではないでしょうか。
「白い着物に抵抗はありますか」
色のイメージの違いで例を上げますと、白い着物です。現在の日本では結婚式で白無垢を着ますが、昔はお葬式で白い着物を着ていました。今でも一部のアジアの国では白は縁起の悪い色と思われており、確か昔の映画の中で亡霊が白い顔をしていましたね。
時代はめぐり、西洋文化の白いウェディングドレスが主流となり、新世代が白をお祝いの色として着るようになりました。だいぶ白い着物に抵抗を感じる方々が少なくなったでしょうか。
着物以外では、白い菊、白い箱、白いリボン…いかがでしょう。私は先に出しましたように白は大好きなのですが、ちらっと未だに抵抗がある時もあります。
和製英語のTPO、time(時)・place(場所)・occasion(場合)を、今の時代の流れを読みつつ、 「時と場所によって服装や言葉を使い分ける」ことが大事でしょうか。 若い皆さま、日本人やアジア系のシニアの方へお花のブーケを贈られるときは、気をつけましょうね。
「受け継ぎたい和の色」
日本には伝統的に引き継がれている色がたくさんあります。その色の名前は、たまに読み方が分からないこともありますが、素敵な名前がついております。
自然の中の風景、動物や地名など、俳句のようですね。
***引用***
暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/
伝統色のいろは https://irocore.com/
日本の文化の入り口マガジン https://intojapanwaraku.com/culture/83771/
色見本サイトNipponcolors https://nipponcolors.com/
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。通常でしたらお寺で学ぶ和の学校ですが、今年はオンラインで初めて試みることにしました。お家から是非ご参加下さい。
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持に為に使われている。
カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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