アストラゼネカ製ワクチンの職種別優先グループ接種を一旦延期へ:BC州

 新型コロナウイルスワクチン接種がここにきてブリティッシュ・コロンビア(BC)州で停滞している。3月18日に発表された職種別優先グループへの接種も延期が発表された。

 優先グループに接種予定だったアストラゼネカ製ワクチンについては、若者への影響がヨーロッパで報告されたことを受け、カナダ保健省が55歳未満への接種を一時停止すると3月29日に発表。BC州も同様の対応を取っている。

 4月1日会見したBC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は、優先グループには55歳未満の人が多いことから4月から開始予定だった接種を一旦延期すると語った。「すぐに開始できると確信しているが、安全性についてみんなが納得することが必要」と説明した。

 アストラゼネカ製ワクチンについて詳細の報告を受ければ、すぐに優先グループへの接種プログラムを再開するとし、来週には詳細を発表できるだろうと語っている。

 アストラゼネカ製ワクチンは3月31日から55歳から65歳までの希望者を対象に、薬局で接種が始まっている

3月18日には4月からプログラムを開始と発表

 3月18日に会見したジョン・ホーガン州首相は「フロントラインで働く人々にとってこのパンデミックがいかに厳しいものだったということを理解している」と述べ、リモートワークへ切り替えることができない必要不可欠な職種を対象にワクチン接種を開始すると語った。

 ヘンリー博士は、検討した結果、優先グループを決定し、4月から接種を開始すると説明。基準としては、新型コロナ感染予防対策を徹底することが難しい職種やクラスターが発生しやすい職種、寮生活を強いられる職種などを優先したとしている。

 職種別優先グループにはアストラゼネカ製ワクチンを接種する。

 BC州政府によると、今回の優先グループ以外にもすでに到着しているアストラゼネカ製ワクチンが食品加工工場や寮生活を余儀なくされる農場・工場の従業員に接種されているという。

 これらは新型コロナ感染のクラスターが慢性的に発生している職場で、感染拡大を防止するために3月から接種を行っていると説明した。

 また新型コロナ感染による重症化リスクの高い持病を持つ人も3月と4月に優先的に接種することを発表している。対象となるリストはBC州政府新型コロナワクチン接種計画サイトのフェーズ3に記載されている。

 3月18日の発表では、5月末までに34万回分のアストラゼネカ製ワクチンがBC州に供給される予定としていた。

 接種場所は、現在年齢別で実施されているような会場を設置する予定のほか、インフルエンザワクチン接種のように薬局で薬剤師による接種も予定されている。詳細は後日発表される。ヘンリー博士は今回発表した優先グループの予約については「年齢別予約電話番号に電話をしないように。対象者にはこちらから機関団体を通じて連絡します」と念を押した。

 優先グループとなる職種は以下の通り。

  • First responders (police, firefighters, emergency transport): 警察官、消防士、救急救命士
  • K-12 educational staff: K-12教育関係者・職員
  • Child care staff: チャイルドケア職員
  • Grocery store workers: 食料品店従業員
  • Postal workers: 郵便局員
  • Bylaw and quarantine officers: 規則見回り、隔離確認職員
  • Manufacturing workers: 工場従業員
  • Wholesale/warehousing employees: ホールセール・倉庫従業員
  • Staff living in congregate housing at places such as ski hills: スキー場などの寮で生活しているスタッフ
  • Correctional facilities staff: 刑務所職員
  • Cross-border transport staff: カナダ・アメリカ陸路運送業職員

合わせて読みたいニュース記事

合わせて読みたい関連記事