グラフェン(graphene)を使用しているマスクが健康被害を起こす可能性があるとして、4月2日にカナダ保健省が使用の停止を呼びかけたが、その大半はケベックで流通していたものという。バンクーバー新報のemailでの問い合わせに、カナダ保健省が回答した。
保健省の使用停止勧告の対象となっているのは、グラフェン(graphene)やバイオマスグラフェン (biomass graphene)を材料としているマスク。グラフェン分子を吸入することで、動物の肺に害をもたらす可能性があることが分かったという。
人体への健康被害の可能性については現時点では不明。カナダ保健省はマスクの製造業者にデータ提出を求め、グラフェンを使ったマスクの健康上のリスクについて詳しく調べている。
さらに安全策を取り、判明している全ての輸入業者やメーカー、販売業者らに、該当する製品の販売を停止して回収を行うように指示を行った。
4月8日の時点で、Metallifer (2009) Ltée と12087995 CANADA Inc. がShandong Shengquan New Materials Co. Ltd.が製造したマスクをリコールしているという。
また、医療関係者や消費者に対しても、マスクのラベルを調べて、グラフェンを用いたものであれば使用を停止するよう勧告した。そしてグラフェンを使ったマスクを着用して、これまでになかったような呼吸での問題があった場合は、医師に相談するよう呼びかけている。
グラフェンは抗菌、抗ウイルス作用のある新素材として近年、注目を集めている。