バンクーバー水族館の関連機関オーシャンワイズ海洋生物保護センター(Ocean Wise Marine Mammal Rescue Centre)が、3月7日に保護した生後約4か月のラッコが、バンクーバー水族館に移された。保護から74日後のことだった。
このラッコは雌で、保護した時点で既に歯が生えそろっていたという。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ポートハーディのクアッツェ川付近で見つかったことにちなみ、クアッツェ(Quatse)と名前を付けられた。
クアッツェは保護されたとき、血糖値が下がり、昏睡状態に近かったという。しかし、海洋生物保護センターのスタッフの献身的なケアで回復した。既に身づくろいは自分ででき、固形物を食べていたが、カナダ水産海洋省のアセスメントで野生に戻すことは不可能と判断された。
生後数週間、母親と暮らすだけで、すぐに独り立ちするセイウチやアザラシとは異なり、ラッコは生まれて約6カ月間、母親がつきっきりで子育てをする。その間に食べ物を見つける、捕食者から身を隠すなど、身づくろいをするといった、野生で生活するためのスキルを学ぶ。
2020年に生後約10日で保護されたラッコのジョーイとは異なり、クアッツェは生まれて数か月経っていたとみられている。保護当時の体重もジョーイの1760グラムに対して5500グラムあった。
バンクーバー水族館には既に7頭のラッコが暮らしていたので、クアッツェで8頭目となる。
BC州で迷子や病気の海洋生物を見つけたときのホットライン
B.C. Marine Mammal Reporting Network
1-800-465-4336
Tiktokで公開されたクアッツェの様子
https://vm.tiktok.com/ZMersrU78/
保護を最初に伝えたインスタグラム投稿
https://www.instagram.com/p/CMK7rtZs_7T/
海洋生物保護センターのクアッツェの情報ページ
https://mmrpatients.org/patient/el2101-quatse/
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