新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、一時は感染者数が減っていたカナダだが、現在、第4波に入り、再び感染者の増加が続いている。
米国疾病予防管理センター(CDC)などで、現在の感染拡大の大きな原因となっているデルタ株について、ワクチン接種を完了していてもデルタ株に感染した場合に感染するリスクが高いとの指摘もある。カナダ政府では第4波対策として、ワクチン未接種者への接種促進を行っている。
第4波の感染者や入院はワクチン未接種の人が中心
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では新型コロナウイルスワクチン接種の対象となる12歳以上のうち85.3% にあたる395万5624人が一回目のワクチン接種を、77.8%(360万8067人)が2回のワクチン接種をこれまでに受けたと保健省が9月9日に発表している。
ワクチン接種を完了していない人が新型コロナウイルスに感染した確率は、9月1日から7日までの期間で全体の78.6%だった。また、8月25日から9月7日と過去2週間のコロナによる入院患者の86.3%はワクチンの接種を受けていなかった。
人口10万人に対するコロナ感染者の数は9月1日から7日までで
* ワクチン未接種で 301.4人
* ワクチン1回接種 84.8人
* 接種完了 26.0人
となっている。
さらに入院患者については8月25日から9月7日の2週間で
* ワクチン未接種 37.1人
* ワクチン1回接種 6.8人
* 接種完了 1.1人
入院のリスク、すなわち重症化のリスクは、ワクチン接種を受けていない人は完了している人と比較して34%高い。
カナダ全体でも同様のデータが出ていて、9月3日にカナダ公衆衛生庁が発表した『Update on COVID-19 in Canada: Epidemiology and Modelling』では、ワクチン接種を受けていない人は、完了している人と比較して、感染リスクは12倍、入院のリスクは34%高いとある。
年齢別のワクチン接種状況は70歳以上については1回のみ接種、2回接種のどちらも90%を超えているが、そのほかの年齢層では
40~49歳 1回のみ82%、2回完了76%
30~39歳 1回のみ77%、2回完了68%
18~29歳 1回のみ74%、2回完了63%
12~17歳 1回のみ78%、2回完了67%
という。
特に18~39歳のワクチン接種に遅れがみられていることから、『Update on COVID-19 in Canada: Epidemiology and Modelling』はこの年齢層での接種促進が急務としている。
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