「寒露*袷の着物に手を通す」

カナダde着物

第27話 季節*鴻雁来(こうがんきたる)

 日本では、夏に日本で過ごした燕などの夏鳥が南へと渡り、今の時期に北から冬鳥がやって来るそうです。雁はその代表的な野鳥でしょうか。

 カナダは世界的に有名なバードウォッチングの聖地のひとつだと、以前、飛行機の中で同乗しました「日本野鳥の会」の皆さんから教えていただきました。

 おひとりの方は、もう何十回とカナダへ来ていますが、ガスタウンやキャピラノブリッジにも訪れたことはなく、ひたすら珍しいカナダの鳥たちを追いかけていると話していました。

 私はこちらに20年以上住んでいますが、庭先に来る鳥たちを見て喜んでいる程度です。カナダにはまだまだ知らない魅力が溢れているようです。

 この冬は、カナダの冬鳥(*1)に注目してみようと思います。

Canada Geese & Seagull。©Manto Artworks
Canada Geese & Seagull。©Manto Artworks
マントさんはカナダの鳥を多く撮影されている写真家です。©Manto Artworks
マントさんはカナダの鳥を多く撮影されている写真家です。©Manto Artworks

 「寒露(かんろ)の時期、袷きものに手を通す

 近所の木々が紅葉し始めて、朝方、冷たい露が紅葉した草花にうっすらとベールのように包みますと、着物はやはり袷が欲しくなります。

 裏地がついていますので、単衣の着物に比べますとやや重さがあります。先日、1日掛かりで衣替えをしまして、自分でデザインしましたIKEA自家製着物タンス(*2)に袷の着物を移しました。

 今シーズンはどの着物に手を通そうかと考えるのが、10月の楽しみなのですが、お茶会やソーシャルな集まりも自粛で少なくなっています。コロナ禍の郵便事情でまだ日本から届いていない着物もありますし、やや盛り上がりの欠ける今年の衣替えでした。

神無月 移りゆく木々の色。©Manto Artworks
神無月 移りゆく木々の色。©Manto Artworks

「戦国時代風に普段のきもの」

 時々しております、テレビや映画の着付の仕事ですが、現代の着物からタイムスリップして戦国時代を覗いてみますと、新しい発見が生まれます。

 外へ着物で出かけるチャンスが少ないので、家で気軽に楽しめる着物はないかと思っておりましたら、戦国時代の女性の着方(*3)が良さそうだと気が付きました。

 5分以内で着ることができ、帯を締めたときに苦しくなく、それでいて着物の華やかさもあります。

 戦国時代は生きるか死ぬかでお洒落もする余裕がなかったのでしょうか(いえいえ、色々な理由があるそうです)、現代の男性の着物のような着方でした。小袖と呼ばれる着物は袖が短く、身丈です。身八ツ口がありません。帯は細帯で現代の男性の角帯のようなものです。 

 早速真似してみましたら、それはそれは着心地が良く、すっかり私の最近の装いは戦国時代です。皆さまも「お家de着物」は戦国風で愉しんでみませんか。

「戦国時代風に着てみました。」

*** 写真家のご紹介 ***

 いつも私の着物コラムに素敵なお写真を提供してくださっています、写真家のマントさん。カナダにいる珍しい野鳥の写真を1年を通じて撮影し続けておられます。

 写真はこちらからご覧くださいませ。
 https://www.facebook.com/manto.nakamura

***引用***

暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/

*1 カナダの冬鳥 バンクーバーは高緯度にありながら、近くを暖流が流れている関係で、冬でも気候が温暖で、カナダの中でも唯一、北からの冬鳥の越冬地となっている。

 海沿いに位置するバンクーバーは湿地が多く、特に水鳥の多さは目を見張るものがある。ハシグロアビ、ナキハクチョウ、クビワキンクロ、コスズガモ、アラナミキンクロ、キタホオジロガモ、ヒメハジロ、オウギアイサ、カナダヅル、クロワカモメ、カリフォルニアカモメ、ウミバトなど、日本では珍鳥とされる野鳥が多く、数百羽のハクガンの群れが間近に見られることもある。
還暦からのネイチャーフォト から https://mustachio.exblog.jp/17898199/

Y Bird 山本幸正の社長日誌 
http://www.ybird.jp/field/index.cgi?no=r549

*2 IKEA自家製着物タンス(コナの自作キャビネット)
IKEAのキャビネットを使い、着物を収納できるスペースをデザインした。

IKEA pax wardrobe
https://www.ikea.com/ca/en/search/products/?q=pax%20wardrobe

*3 戦国時代の女性の着方
歴ペディア 
https://rekisi-omosiroi.com/sengokuzida-zyosei/


コナともこ
 アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。

 10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。和の学校オンラインサロン*無料*は、対面式が始まりましたので、不定期で開催することになりました。次回の開催日と内容につきましては、後日お知らせいたします。

 その折には、是非ご参加くださいますよう宜しくお願い申し上げます。また皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

 *詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com

 東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

 カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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