カナダde着物
第28話 季節*立冬
早いもので、今年もあと2カ月を切りました。これから立春まで、冬への一直線です。
バンクーバーでは、ハロウィンが過ぎた頃から雨の日が続きます。枯れ葉が舞う秋という日は少なく、キルトの作品のように色々の葉が地面にぺったりと張り付きまして、庭掃除はなかなかはかどりません。
そのような時はあえて掃除はせず、風景としてそのままにしておきます。これも肥しとなり地面へと栄養が届くでしょう。11月11日のリメンバランス・ディ(*1)での赤いポピーは、戦地に残された動物や人間の死骸が土となり満開のポピーを咲かせたそうです。
人が生まれ死んでいくことも、この世にあったものが無くなることも、自然界では太古から続く無駄のない営みなのでしょうね。
「コロナ禍の中、2回目の七五三のお祝い」
去年の今頃、毎年恒例のお寺での七五三法要や着物レンタルを中止にしようかと考えておりました。
コロナがどうなるのか分からず、先の見えない状況、そしてコロナ禍以外の人種差別や社会問題が次々とあぶり出されました。
お寺での七五三祝い(*2)は、2011年から続いているもので、有難いことに毎年多くの日本人や日系人のご家族がお参りに来られます。
お寺の和尚さんや檀家さん、そして和の学校の生徒さん達が、いつも真心でボランティアをしてくださり、子供達の成長を祝い、若い世代のご家族を応援します。
そのような活動は、私がお寺で和の学校を立ち上げたときに考えていた理想のままです。
政府からの規制などが強くなる中、人と関わらなくなることが利点になる場合もあれば、関わらなければ上手く行かないこともありましたが、やはり私達は社会の中で生きるものであり、人は人に助けられるものではないかと感じました。
そして、人数制限はしたものの、いつも通りお寺には賑やかな声が響き、お子様の成長を祝う1日となりました。
今年も11月14日、21日にも東漸寺の本堂にて合同法要を行います。
このような世の中ではありますが、ご家族ご一緒にお寺へ行ったことをお子様たちは思い出の中にしっかり残すのではないでしょうか。
スティーブジョブズが残した言葉です。
「私が勝ち得た富は、(私が死ぬ時に)一緒に持っていけるものではない。私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。」
*** 引用 ***
暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/
*1 リメンバランス・ディ 毎年11月11日は、Remembrance Dayというカナダの祝日。第一次世界大戦以降の戦争で亡くなった軍人、退役軍人らを追悼する日である。日本語では「戦没者追悼記念日」「休戦記念日」。
スタンレーパークには、日系戦没者記念碑があり、1918年11月11日から2年後に、日系コミュニティの寄付金により建てられもの。毎年、戦争で犠牲となった日系カナダ人を偲んで戦没者の追悼式典が行なわれている。
コナのひとこと。リメンバランス・ディは、戦争の犠牲となった軍人に敬意を表すだけでなく、全ての戦争の犠牲者の死を心から悼み、政治家と私たちが歴史の過ちを覚える日であるべきだと願います。
*2 お寺で七五三のお祝い コキットラム市にありますTozenji Temple(西山浄土宗 東漸寺)で、七五三のお祝いをお手伝いさせていただいております。
東漸寺 https://www.facebook.com/tozenji.bc
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。和の学校オンラインサロン*無料*は、対面式が始まりましたので、不定期で開催することになりました。次回の開催日と内容につきましては、後日お知らせいたします。
その折には、是非ご参加くださいますよう宜しくお願い申し上げます。また皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。
カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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