カナダ統計局が2020年他殺による死亡者が743人にのぼったと発表した。1991年以来最悪の数字で、2019年から56人増えた。10万人あたりの犠牲者数で19年から7%増となった。
743人の中には、カナダ史上最悪となったノバスコシア州での銃撃事件の被害者22人も含まれている。
カナダ統計局では新型コロナウイルスの感染拡大が、カナダ社会に大きな影響を与えたとしている。パンデミックが始まった2020年の犯罪深刻度指数(CSI)は前年比で8%下がったが、殺人発生率が上昇した。
殺人事件はカナダのすべての暴力犯罪のうち0.2 %と、比較的まれな事件ではあるという。CSIは警察に報告された全ての犯罪を用いて、カナダ統計局が算出している指数。
州別で1年間で特に大きく増加したのはアルバータ州とノバスコシア州。ノバスコシアは4月に起こった銃撃事件によるためで、アルバータ州ではカルガリーとエドモンズで増えた。
都市別でみるとトロントが最も多いが、これは人口も多いためで、年間の被害者数は19年より25人減った。被害者については4人に一人が「ビジブルマイノリティ」だった。
暴力事件被害者の支援団体らはロックダウンやステイアットホームによる影響、収入減や失業による家庭内暴力の増加についても指摘している。2020年3月にカナダ統計局が行った調査で、カナダ人の8%が家庭内での暴力を懸念していると答えた。
地域 | 2019年 | 2020年 |
カナダ全体 | 687 | 743 |
オンタリオ州トロント | 130 | 105 |
ケベック州モントリオール | 45 | 42 |
BC州バンクーバー | 41 | 45 |
アルバータ州カルガリー | 24 | 39 |
アルバータ州エドモントン | 32 | 47 |
オンタリオ州・ケベック州オタワ/ガティノー | 13 | 10 |
マニトバ州ウィニペグ | 44 | 41 |