BC州が有給病気休暇制度を導入

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が有給病気休暇(Sick Leave)の付与を義務付ける。開始は2022年1月1日で、同州労働者は年間最低5日間の有給病気休暇を取ることができるようになる。

 対象となるのはBC州の労働基準法にあたるEmployment Standards Actが適用される全ての労働者で、パートタイム・非常勤スタッフも含まれる。

 ジョン・ホーガン州首相は「新年からは、病気休暇を取った労働者が収入を失うということはなくなります。病気休暇を取らないということは、一緒に働く人や雇用主にとってもよくないということを、パンデミックが証明しました」と語った。

 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻だった2ヵ月間、集団感染が発生したことでフレイザーヘルスだけでも200の事業が休業を余儀なくされた。有給病気休暇制度を導入していた企業や組織では職場での感染は少なかったという。

 また、制度導入の前に、有給病気休暇制度のある企業や組織の状況について調べたところ、従業員の大半が年間に取得する休暇は5日以内だった。

 ハリー・ベインズ労働大臣は「必要なサービスを確保するためにも、低賃金の労働者に有給病気休暇のような基本的な保護を行う必要があります」との考えを述べた。さらに、人手不足の中、労働者も追加の福利厚生を求めていることも指摘した。

 一方、BCグリーン党は、制度の義務化を歓迎しながらも、OECD(経済協力開発機構)加盟国の大半が10日以上を義務付けているとして、5日では不十分との声明を出した。

 有給病気休暇制度を州政府が義務付けるのは、カナダではBC州がはじめて。