長野県の地獄谷温泉にある地獄谷野猿公苑(じごくだにやえんこうえん)。野生のニホンザルの生態を間近で見ることができ、とりわけ温泉に入るサルはスノーモンキーとも呼ばれている。珍しいスノーモンキーを一目見ようと、日本国内のみならず、海外からも多くの観光客が訪れる。
サルは寒くならないと温泉に入らないそうで、スノーモンキーを見ることができるのは冬になる。長野旅行を兼ねて、2021年1月に地獄谷野猿公苑に行ってきた、ローレルさんの体験談。
野生のニホンザルを見ることができる、野猿公苑
北海道・沖縄を除く日本各地の山林地帯に生息しているニホンザル。しかし、野生のサルは簡単に見ることはできない。餌付けして、観察できるようにした施設が野猿公苑で、より自然に近い状態で暮らしているとガイドブックにある。
サルたちは施設で与えるエサを求めて野猿公苑にやってくる。エサをもらえる時間以外は森の中で暮らしていて、常に野猿公苑に現れるわけではないという。
これまでにも、京都の嵐山モンキーパークに何度か訪れて、サルにエサをあげたことはあった。嵐山は祖父の家のある大阪からアクセスしやすかった。
しかし、地獄谷野猿公苑は山奥にある。車を持っていないカナダからの旅行者が、公共交通機関を使うと、長野駅から電車とバスを乗り継ぎ、さらに雪の中を30分以上歩いてやっとたどり着く。
サルが温泉に入るのは寒いからで、気温が下がらないと入らないと聞く。長野に着いて驚いた。寒い土地だと想像していたが、1月というのに積雪は2センチメートルほどだった。果たしてスノーモンキーを見ることができるのだろうか。
地獄谷野猿公苑ではツイッターでサルが温泉に来ているか投稿している。ツイッターでは過去2週間ほど毎日、サルが来ている(出勤中)とあった。きっと会えると信じて湯田中に向かった。
近づくにつれ、積もっている雪の量が増えてきた。どうせなら雪景色を背景に湯舟につかるサルにあいたかったので、「やった!」という気分。
さらにバスを降りると、今、サルが到着しているとの看板を発見! 一足違いで会えなかったら悔しいので、雪道を急ぐが道のりは約35分。それも上り坂となっている。
圧雪になっていて滑りやすく、また雪用の靴を履いていなかったので怖いが、しばらく行くと道は森の中へと続いていく。こちらは比較的平坦で、少し安心して歩けた。
公苑に着いて、入場料を払って中に入ると、サルがいる、いる!
気持ちよさそうに温泉に入るサル、カメラを構える観光客に「何、見てるんだ」という視線を投げかけるサル、ケンカしているのか、じゃれ合っているのか分からない子ザルたち、毛づくろいをする親子のサル…。
見ていて飽きないのだけど、1時間以上いると寒くなってきた。後ろ髪を引かれる思いで公苑を後にする。
バス停までの帰り道で20人ほどの団体がやってくるのとすれ違う。彼らと一緒にならなくてよかった。パンデミックの2021年1月に訪れたので外国人はいなかったが、日本人観光客は多かった。
野猿公苑までの公共交通機関でのアクセス
長野駅から
電車とバスを乗り継ぐ場合
1.長野電鉄特急で湯田中駅(38分)
2.長電バスでスノーモンキーパーク下車(15分)
志賀高原行き急行バスを利用
長電バスでスノーモンキーパークへ。
スノーモンキーパークのバス停から野猿公苑までは徒歩35分。
地獄谷野猿公苑
(じごくだにやえんこうえん)
開苑時間:
4月~10月 8:30~17:00
11月~3月 9:00~16:00
無休だが、大雪など天候により休苑することあり。
住所
長野県下高井郡山ノ内町平穏6845
料金
18歳以上:800円
小学生~高校生:400円(税込み)
6歳未満無料。シニア割引なし。
https://jigokudani-yaenkoen.co.jp/
(取材 西川桂子/ 撮影 Laurel H.さん)
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