カナダ政府は2月27日、ロシアの航空機が領空を通過したり、離着陸することを禁止したが、アエロフロート111便がその措置に違反したと、カナダ運輸省がツイッターで明らかにした。
ロシア航空機に対するカナダ領空飛行禁止は、ウクライナに軍事侵攻を行ったロシアへの制裁の一環。しかし、飛行を禁止されているにもかかわらず、マイアミ発モスクワ行きの同便が27日午後、カナダ上空に侵入した。
事態を受けてカナダ運輸省は、航空管制を行う独立機関のNAV CANADAに調査を依頼。さらに今後、同様の違反が行われないよう適切な対応を行うとしている。
28日には、NAV CANADAが経緯について声明を発表した。パイロットは侵入を禁止されていたことを知っていたが、「人道的フライト」を理由にカナダ領空通過をリクエストしたという。通常の状況において、NAV CANADAには人道的フライトや医療上の緊急事態とする航空機が領空に入ることを拒否する権限はない。
声明はアエロフロート111便に続き、ロシアのほかの航空機2機が同様に「人道的」理由で領空に入ることを要請してきたことも明らかにしている。この2機に対してはNAV CANADAは通過を拒否した。禁止措置を守らなかったことについて、調査を行ったり、ペナルティを科す、あるいは制裁を加えることができるのはカナダ運輸省のみという。
ロシアの航空機の領空飛行については、欧州連合(EU)も27日、EU全空域を閉鎖して、飛行を禁じた。また、アメリカも3月2日午後9時(東部標準時)から領空飛行を禁止する。一方、日本政府は禁止に慎重な姿勢を見せている。
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