在バンクーバー日本国総領事館羽鳥隆総領事の公邸料理人として活躍している竹内えみさん。
FacebookやYouTubeでの説明では「日本とカナダを食でつなぐ『味の外交官』として、料理を提供するのにあたり、季節感や盛り付けはもちろん、日本の風習・行事など、日本の和の心を意識した献立を組み、料理を通じて日本の文化を知っていただくことを心がけています」とある。
レシピは「バンクーバー周辺で手に入る食材と器具で作るレシピ」として料理写真とともにFacebookなどのSNSで公開している。その一部を紹介する。湯葉と桜餅はYouTube動画でも手順を確認できる。
・手作り湯葉
・日本産柚子とカナダ食材を使った炊き込みご飯
・七面鳥(ターキー)を和の調味料の塩麹に漬けてローストした「七面鳥の塩麹焼き」
・道明寺 桜餅
手作り湯葉
大豆風味がたっぷりの手作り湯葉。
<材料>
大豆 120g
大豆を浸す水 360ml
追加の水 120ml
<作り方>
1.大豆は一晩水につける。
2.大豆に追加の水を加えて、滑らかになるまでミキサーにかける。
3.鍋にたらして粒が見えなくなるまでミキサーにかけたら、深めの鍋に移して、中火にかける。
4.泡が出てきたら、ていねいにすくって捨てる。泡があるときれいな湯葉ができないため。
5.焦げないように混ぜて、鍋から湯気が立ってきたらOK。
6.清潔なザルとボウルを用意して清潔な布(こし布)をのせ、5の大豆のペーストを熱いままろ過させて絞る。とても熱いので、火傷に注意すること。絞ってできた液体が豆乳。
7.豆乳を弱火にかける。
8.アルミのトレイにラップを敷き、湯葉を救う準備をする。箸や竹串などのスティックと乾燥防止のふたにするアルミホイルを用意。
9.湯気が立ってきたら、鍋の豆乳の表面に湯葉が張ってくるので、鍋肌をぐるりとなぞって湯葉をはがして、引き上げ、乾燥しないようふたをする。
10.9の作業を、煮詰まって湯葉がとれなくなるまで繰り返す。とても熱いので火傷に注意。
11.粗熱をとったら、一口大に切る。
12.だし汁(大さじ2)、濃口しょうゆ(大さじ1)、みりん(大さじ1)を混ぜる。
13.湯葉を品よく盛り付け、11をかけて、おろし生姜(適量)をのせる。盛り付けに草花を使うと季節感が出る。
日本産柚子とカナダ食材を使った炊き込みご飯
和食に欠かせない柑橘の一つ、柚子。最近ではバンクーバーの日本食料品店でも見かける。「和食では、酸味の強い柚子の果汁をジュースや調味料として使うこともありますが、柚子の魅力は、なんといっても皮。小さく刻んで薬味にすることで、和食を爽やかに彩ります」(竹内シェフ)
柚子にカナダ食材のサーモンを組み合わせた、日本とカナダを食でつなぐ『味の外交官』ならではの一品。
<材料>
米 2合
出汁 320ml
酒 大さじ1
みりん 小さじ2
薄口しょうゆ 大さじ1
サーモン 300g
塩麹 適宜
柚子皮 1/2個分
絹さや 10枚
バター 20g
錦糸玉子 適宜
イクラ 適宜
<作り方>
1.サーモンに塩麹をまぶし2時間おいたら、塩麹を洗い流し水気を拭いておく。
2.米は洗ってザルに上げて水切りしておく。
3.柚子皮は“みじん切り”に、絹さやは“千切り”にしてさっと茹でておく。
4.洗った米と調味料(酒、みりん、薄口しょうゆ)を炊飯器に先に入れ、出汁(だし)を2合目盛りにまで入れたら軽く混ぜサーモンを上に乗せて炊飯する。
5.炊き上がったら茹でた絹さやとバターを加えサーモンをほぐしながら混ぜ合わせる。
6.お好みで錦糸玉子とイクラをのせて、できあがり。
作り方を写真で説明しているFacebookの投稿
https://www.facebook.com/JapanCons.vancouver/posts/5400647166616936
竹内公邸料理人が季節の柑橘を紹介している動画
【公邸料理人の目利き – 季節の柑橘】
七面鳥(ターキー)を和の調味料の塩麹に漬けてローストした「七面鳥の塩麹焼き」
日本の調味料塩麴と、カナダではイースターやクリスマスメニューでおなじみだが日本ではあまり見かけない七面鳥を使用。日本とカナダの友好に一翼を担えないかと竹内シェフが用意したレシピ。
七面鳥は見栄えがして特別感があるので、とっておきのおもてなしメニューとしても「おススメ」とのこと。
<レシピ>
七面鳥(ターキー:もも肉) 1枚
塩麹 大さじ3
燻製リキッド 適量
付け合わせ野菜 お好みの物
<作り方>
1. 七面鳥に塩麹をまぶして2時間半ほど常温におく。
2. 2時間半たったら塩麹を洗い流し、水気を拭き取る。
3. 熱したフライパンに油をひき、中火で皮目に色がつくまで焼いたら片面も軽く焼き燻製リキッドをまぶす。
4. 200℃/400℉のオーブンで15分ほど焼く。
*七面鳥の大きさによって焼き時間を調節する。
5. 好みの盛り付けで仕上げる。
*ナイフとフォークで食べる場合は、七面鳥を切らずに盛り付け。箸を使う場合は、切って盛り付けると食べやすい。
作り方を写真で説明しているFacebookの投稿
https://www.facebook.com/JapanCons.vancouver/posts/5165616176786704/
道明寺 桜餅の作り方
春の季語にもなっている和菓子、桜餅。関東はクレープ状の生地であんを巻く長命寺スタイル、関西は蒸した道明寺粉であんを包む道明寺スタイルが一般的。今回は道明寺の桜餅の作り方。
<材料 – 5個分>
道明寺粉 80g
砂糖 20g
90℃/194℉のお湯 100ml
食紅(赤) 適宜
あん(好みでこしあん、または粒あん) 110g
桜葉塩漬け 5枚
<作り方>
1.あんを22gずつ丸めておく。
2.桜の葉の塩漬けは30分ほど水に浸して強い塩気を抜く。
3.道明寺粉をボウルに入れて、湯を加えて、食紅で着色したあと、ラップをかけて10分置く。(道明寺粉が水を吸ってポロポロになる)
4.蒸気の上がった蒸し器に固くしぼった布巾を敷き、道明寺粉をのせて強火で15分間蒸す。
5.熱いままボウルに移して砂糖を加え、軽く練りながら混ぜ、粗熱が取れるまで冷ます。とても熱いので火傷に注意すること。
6.少し甘い程度の砂糖入りの手水を用意する。
7.蒸しあがった道明寺粉を5等分して、手水で湿らせながら円形に伸ばす。その際に中心を厚くするとうまく包むことができる。
8.あらかじめ丸めておいたあんをのせて包み、包み終りが下にくるよう桜の葉で巻いて、できあがり。
*桜葉が手に入らない場合は、塩抜きをした桜花の塩漬けを飾ってもきれい。
《桜葉塩漬け》市場に出回っている桜葉塩漬けは「大島桜」の若葉を塩漬けしたもの。食用。他種の桜葉に比べ香りが強く葉も柔らかい。
《桜花塩漬け》「八重桜」の花を梅酢と塩で漬けたもの。食用。花弁が他種の桜に比べて多い。
《注意》
桜葉塩漬けを自家製にする場合は、持ち主の許可を得て採取し、除虫剤や除草剤が散布されていないか確認すること。公道の桜からは採取できない。
Facebook(在バンクーバー日本国総領事館)
https://www.facebook.com/JapanCons.vancouver/
YouTube(在バンクーバー日本国総領事館公式チャンネル)
https://www.youtube.com/channel/UC6_St9plNvxhfBfgh2jsR9g
(取材 西川桂子)
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