トロントでアジア系などへのヘイトクライム増加

 オンタリオ州トロント市警察が発表した2021年のヘイトクライムリポートで、アジア系住民などへのヘイトクライムが増加していることが明らかになったと、カナダの複数メディアが報じた。

 2021年は257件の通報があり、前年比で22%増となったという。特に、新型コロナウイルス感染拡大により、東アジア系と東南アジア系への被害が増え、2020年は全体の7%だったが、21年は16%を占めた。被害者は侮辱するような言葉を浴びせられたあと、殴られたり、突き飛ばされたり、唾をかけられたりしたという。

 人種差別を最も受けたグループは、ユダヤ人コミュニティの22%、続いて黒人コミュニティ18%、東アジア、東南アジア系は3番目に多い16%だった。

 カナダ統計局も3月17日に2020年のヘイトクライムのリポートを発表している。それによるとカナダ全体で2,669件の通報があり、2009年以来最悪の数字となった。パンデミック前の2019年は1,951件だったため37%増えている。

 前年の数字と比較した州別の増加数は、オンタリオ州で316件、ブリティッシュ・コロンビア州198件、ケベック州86件、アルバータ州84件だった。

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