3年ぶりの卒業式
去る5月29日(日)日系センターホールにおいてグラッドストーン日本語学園第51回卒業式が開催された。コロナ感染の影響で人数制限はあったものの、小・中・高等科の卒業生とその家族180名で3年ぶりに挙行された。ステージには高等科の華やかな振袖と袴姿の女子13名とスーツ姿の男子1名が並び、厳粛な趣の中、日本の卒業式を思わせる式が開始された。オーカナダ・君が代・校歌を斉唱した後、村上学園長から卒業証書と記念品が、小学科卒業生28名・中学科卒業生15名・高等科卒業生14名に贈呈された。また、バンクーバー日本総領事館羽鳥総領事からの卒業生に送られた祝辞が代読された。
静粛な雰囲気が続く中、小学科全員が、ことわざを使っての発表では「朝早く起きてテストの準備をしたので、百点をとれました。早起きは三文の徳」と、卒業試験を終えての苦労や努力、満足感などが伺えた。
中学科全員の発表では、「幼稚園のボランティアをして、子どもたちに教える楽しさと自分の小さかった頃を思い出す懐かしさを感じた。」などの経験談に会場には暖かい雰囲気が流れた。
高等科は一人一人が、15、6年間通った深い思い出と両親に送迎や宿題の協力などへの感謝の気持ちを述べた。また、文化学習では言語だけでなく日本の文化の茶道・華道・書道・お琴を「一期一会」の気持ちで接したこと、お友達と「切磋琢磨」しながら学習したこと等、四字熟語を使ってのスピーチには、聞き手に感動を与えた。会場の方に座っていた小学科・中学科の卒業生も真剣な眼差しで聞き入っていたのが印象的だった。
その後、村上陽子学園長の贈る言葉には、3名の学園を卒業した教え子の話題が出た。
現在バイリンガル弁護士をしてJALTAでも講演し、活躍している森永正雄さん、2年前に名古屋大学に入学し、漢字検定4級合格を諦めなかったハリソンモンテーさん、2世代に渡り高等科を卒業してJETプログラムに参加して日本で文化について学んだマクラクレンちひろさんについてのお話があった。先輩の様に目標を達成するまで「継続は力なり」と諦めないで努力を続けてほしいという力強い願いを込めた言葉であった。
最後に「蛍のひかり」の流れる中、卒業生57名の意気揚々とした姿に会場からの盛大な拍手に見送られ卒業式は終了した。
帰り際に、保護者より森永さんの様に高等科卒業まで続けることの大切さを子供に話しますと、また、小学科卒業生男子がハリソンさんの様に何度もチャレンジして漢字検定4級を合格したいですと、しっかり後輩への想いが届いたようだ。
この50年間「カナダと日本の架け橋」となる人材を沢山送り出して来たグラッドストーン日本語学園であるが、今年もまた、前途有望な14名が巣立って行く。
高等科卒業生の活躍が大変楽しみである。
ソーラン節発表
卒業式の翌週には、日系センターの庭で恒例のソーラン節を中学科3年以上、高等科上級までの生徒が披露した。
保護者や在校生達が見守る中、元気な掛け声から始まり、活気に満ちた踊りが終了すると割れんばかりの拍手が庭園に響き渡った。
グラッドストーン日本語学園
Tel:(604)515-0980
(寄稿 グラッドストーン日本語学園)
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