BC州政府、非難の声を受けて巨額の博物館プロジェクト見直しへ

 物議を醸していたロイヤルBC博物館の建て替えプロジェクトが、一旦中止となった。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ジョン・ホーガン州首相が、6月22日に発表した。ホーガン州首相は、州民の声を聞いた結果、「間違ったタイミングに間違った決断をした」とし、この結論に至ったと話した。

 5月に発表されたこのプロジェクトは、約8億ドルをかけて州都ビクトリアにある博物館を建て直すというもの。築54年の現在の施設は、建物は耐震性やアクセスの向上が必要で、合わせて展示内容も先住民コミュニティを含む住民との対話を経てアップグレードして、2030年に完成する予定だった。

 しかし、生活費の高騰、医者不足などが人々の生活を圧迫するなか、巨額の資金が必要なこのプロジェクトに州民や野党から非難の声が上がった。自由党ケビン・ファルコン党首は「虚栄のプロジェクト」と繰り返し、来年自分が州首相となったら中止すると明言していた。最近の世論調査では、約70%がこのプロジェクトに反対だった。

 ホーガン州首相は、プロジェクトは一旦中止するものの、博物館のアップグレード自体は必要として、今後州民の意見を反映できるような協議プロセスを開始するとしている。またこれを受けて、今秋から閉館予定だった同博物館は、そのまま開館を続ける。

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