ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ジョン・ホーガン州首相(62)が28日、州首相を辞任する意向を発表した。最近辞任するのではとの憶測が飛んでいたため、州政府の業務に支障をきたさないためにいま発表することにしたと語った。
辞任の理由については、「州首相として次の6年間をやり遂げることができないだろうとの結論に至ったため」と語り、エリー夫人と相談して決めたことを明らかにした。
ホーガン州首相は昨年11月に喉に腫瘍がみつかり、その後35回の放射線治療を受けていたと今年1月17日の公務復帰宣言のツイートで明らかにしていた。
現在ガンは完治しているという。ただ「健康だが、気力が日に日に萎えていく」とホーガン州首相。「ガンの診断と治療はつらかった。さらに何かをするのにもっと気力があればいいのだが」と述べ、今の自分にはもうそれがないと語った。
次期党首が決まるまで州首相を続け、その後は次期選挙まで議員を続ける。
州改革を推し進めた州首相として功績を残す
ホーガン州首相がBCNDP(BC新民主党)党首に就任したのは野党時代の2014年。その後、2017年の選挙で当時のクリスティ・クラークBC自由党政権をグリーン党との協力で退陣に追い込み、政権奪取に成功した。
以降、MSPプレミアム廃止、ポートマンとゴールデンイヤーズ・ブリッジ無料化、富裕層への課税率引き上げ、投機税(Speculation tax)導入などを実現。保育園料10ドル実現への足がかりにも着手した。
日系カナダ人コミュニティ関連では、第2次世界大戦中にBC州政府が日系カナダ人に対して行った歴史的な過ちを永続的に認め、日系カナダ人コミュニティに1億ドルを支援すると今年5月に発表した。
2020年に新型コロナウイルス感染が拡大してからは、新型コロナ、ヒードドーム、山火事、洪水などの災害に見舞われ、対策に追われた。それでも2020年秋にはコロナ禍で選挙を実施。87議席中57を獲得する圧勝で第2期政権を実現した。2期連続で州首相を勤めたのはBCNDP史上初めて。
ホーガン州首相の初当選は2005年、現在の選挙区はビクトリアのラングフォード−フアン・デ・フカ(Langford-Juan de Fuca)。
党は2024年の州選挙に向け、新党首選出のための党首選に入る。次期選挙までに新党首が州民に浸透するためにも、辞任発表はこの時期になったとみられている。
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