カナダde着物
第35話 *着物でイベントへGO!*
「夏はどこへ行ったの?」
そんな言葉が飛び交うグレーターバンクーバーですが、夏至(*1)に入りまして、昼間が1年で一番長い時期となります。
皆さま、初夏を迎えいかがお過ごしでしょうか。
たまに顔を出す晴れ間の青い空は、ノースショアの山々を美しく際立たせ「カナダに住んでいて良かった!」と思わせてくれます。
私はいつも「青空」を見て思い出すのですが、中国の思想家荘子の「井の中の蛙大海を知らず」ということわざがありますね。
「見識が狭く自分の範囲以内でしか物事を考えられない」という意味で使われているかと思いますが、その後、日本で付け加えられたと言われている部分をご存じですか。
それは「されど空の深さ(青さ)を知る」です。
「狭い世界で自分の道を突き詰めたからこそ、その世界の深いところまで知ることができる」という意味です。
昨今、インターネットで多くの情報を得るようになり、一見、世界のことを知ったかのように勘違いしてしまいますが、本質的なところはそう簡単に分かるものではないでしょう。
それに、他者を知る前に自分の国の文化や歴史、そして自分のことを良く知っているでしょうか。
多様性が尊重される時代になったからこそ、この言葉のようにひとつの物事を深く学び考え、他者の考えに耳を傾け、それらをもう一度自分の中で咀嚼し、互いが受けいれ合うことが大事ではないかと思います。
カナダの青空を眺めながら、今、ここにいる自分を感じ、大海へ向かう勇気も持てましたら幸いです。
「井の中の蛙大海を知らず、されど空の深さを知る」(*2)
「着物でイベントへGO!」
コロナ禍の規制が徐々に緩和され、毎週末どこかでイベントが開かれております。
今月はバンデューセン公園の黄藤が見事に咲き、ダウンタウンでのジャパンマーケット(*3)、バーナビーの日系ファーマーズマーケット(*4)、そして先日は久石譲さんのコンサート(*5)が ザ オヒュームでありました。
どの会場でも沢山の人がいらしていて、皆が冬眠から覚めたようです。
私もその中の一人で、毎週末、時には着物で出掛けておりました。
暦の上では、6月から単衣(ひとえ)となります。着物は裏地のない薄い生地で仕立てられていて、季節を早取りするお洒落さんたちは、すでに半襟や帯上げなどの小物を夏用の紗や絽のものにしています。
それでも、まだまだ曇りや雨で寒い日もありますので、6月は衣替えの調整期間でありその時の気候で臨機応変に選んでおります。
着物の色目は明るい方が気分的に初夏を感じます。暗い色目の着物の場合は小物に差し色をしてアクセントとして足しても良いのではないでしょうか。
いつも提案させていただいておりますが、ご夫婦で着物でお出掛けはいかがですか。
男性の着物は色や柄の種類が少ないのですが、最近の浴衣は着物でも愉しめそうなアートな柄も多く出ています。次回の里帰りで、夫の浴衣兼着物を調達しようかと思います。
男性も是非、着物でお出掛けくださいませ!
夫婦やカップルでも愉しめる着物
*おまけ*
6月週末のイベントにて
ツイッターより写真 「ジャパンマーケットバンクーバー2022」
(*1)夏至
太陽のエネルギーが最も溢れる期間である。禊をする祭典が二見興玉神社夫婦岩の前で行われる。古くから二見浦一帯は、伊勢参宮を控えた人々が心身を清め、罪穢れを祓うべく、禊祓をされた場所だった。午前3時30分より夏至祭が斎行され、続いて日の出の時刻(午前4時40分頃)に合わせて禊行事が行われる。夏至の前後1か月だけ、夫婦岩の間から朝日が昇る。
(*2)「井の中の蛙大海を知らず、されど空の深さを知る」
「井の中の蛙大海を知らず」はもともとは中国で誕生した言葉であり、中国の思想家である荘子の「秋水篇」にある「井蛙不可以語於海者、拘於虚也」が由来である。
後に続く言葉は、他にも「天の高さを知る」、「天の広さを知る」などもあるが、ことわざとしては正式には無い。
(*3)ジャパンマーケットバンクーバー
バンクーバー在住の日本人女性3人が企画、主催。日本人作家によるクラフト、ジュエリー、和装小物や着物、手作りせっけんなどのベンダーが出店した。
http://japanmarket.ca/
(*4)バーナビーの日系ファーマーズマーケット
バンクーバー新報オンライン記事から https://www.japancanadatoday.ca/community/community-news/2022/06/09/nikkei-garden-farmers-market-june-2022/
(*5)久石譲さんのコンサート
バンクーバーでは6月17日、18日にザオヒュームにてVSOとの共演でコンサートが開かれた。
https://joehisaishi-concert.com/
https://www.vancouversymphony.ca/event/music-of-joe-hisaishi-2021/
引用
日本の行事・暦 koyomigyouji.com/index.html
参照
ダ・ヴィンチWebから https://ddnavi.com/serial/679081/a/
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。和の学校オンラインサロン*無料*は、対面式が始まりましたので、不定期で開催することになりました。次回の開催日と内容につきましては、後日お知らせいたします。
その折には、是非ご参加くださいますよう宜しくお願い申し上げます。また皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。
カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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