より感染しやすい新しいオミクロン株のまん延が予想されるなか、カナダ政府は新型コロナウイルスワクチンのブースター接種を促している。
テレサ・タム公衆衛生局長は6月30日の会見で、新型コロナの患者数は今のところ安定しているとしながらも、BA.4やBA.5など変異株の流行やウイルスシーズンの到来に伴い、晩夏から初秋にかけて予想されるコロナ再流行に備えるべきと会見で語った。一番の予防はワクチンのアップデートで、すべての成人と感染リスクの高い若年層は、3回目のワクチン接種が必要と言う。
政府のデータでは、最初の2回の接種だけではオミクロンへの予防効果が薄いことを示している。入院や死亡などを回避できる可能性はあるが、予防効果は時間とともに弱くなるため、3回目の接種で免疫応答を復活させる必要がある。今年4月、5月のデータによると、ブースター接種を受けた人の入院率、死亡率は未接種の人に比べてはるかに低かったという。
またタム局長は、過去に新型コロナに罹っていても十分な予防にはならないとし、さらにブースター接種がコロナの長期的な後遺症のリスクを低くする可能性についても言及した。モデルナやファイザーなどはオミクロンに特化したワクチンを開発中だが、タム局長は承認までに時間がかかるなどの理由から今あるワクチンを接種するべきとしている。
ジャンイブ・デュクロ保健大臣によると、新型コロナワクチン2回接種した人のうち、3回目を接種したのは約60%にしか過ぎないという。デュクロ大臣は、日本やイギリスを含むほかのほとんどのG7国よりカナダの方が3回目接種率が低く、2回接種率がどの国よりも高かったカナダでこれはあってはならない事態だと会見で語った。
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