新型コロナウイルス感染拡大で日本政府、カナダ政府は2020年3月以降、入国者、渡航者に対して、さまざまな規制を行ってきた。しかし、ワクチン接種が進み、感染者数が減少するにしたがい、その規制が緩和されている。
カナダについては、空路、陸路、海路で、4月1日以降に入国する新型コロナワクチン接種完了者は、現地出国前新型コロナウイルス検査の陰性証明書の提示は不要となった。
一方、カナダから日本への帰国、入国の際は、新型コロナウイルス検査の陰性証明書が必要となっている。ただし、検体採取方法として鼻腔ぬぐい液を用いた検査が追加された。
日本とカナダの2022年7月18日時点での入国や渡航ルールをまとめた。
「カナダから日本に」帰国・入国
日本政府は6月1日から規制を緩和。新型コロナの流入リスクで国や地域をグループ分けして入国条件を設定している。カナダは最もリスクが低い「青」グループのため、ワクチン3回接種の有無や国籍にかかわらずカナダから入国する場合は入国時検査や入国後の自宅等待機を免除される。
日本入国時の検疫手続きで必要な証明書
国籍にかかわらず以下は必須。
1. 搭乗前72時間以内の検査証明書(陰性証明書)の提出
2. 誓約書の提出
3. スマートフォンの携行、健康居所確認アプリMySOS・接触確認アプリCOCOAの登録
スマートフォンの携行、必要なアプリの登録・利用について https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00250.html
検疫手続きの際に、必要なアプリを利用できるスマートフォンの所持を確認できない場合、入国前に、空港内でスマートフォンを渡航者の負担でレンタルする。
4. 質問票の提出
待機期間中の健康フォローアップのため、検疫時にメールアドレス、電話番号などの連絡先を確認するもの。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00251.html
ファストトラック
日本政府指定のアプリMySOSを通じて、上記必要書類が事前登録できる「ファストトラック」を利用すると入国手続きがスムーズになる。日本への入国予定日から2週間以内に登録。
利用できる空港は、成田国際空港、羽田空港、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港。
検疫の入国前WEB手続「ファストトラック」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24332.html
帰国・入国前の準備
検査証明書(陰性証明書)を入手する
入国時に「搭乗前72時間以内の検査証明書」を提出する必要がある。
・検査証明書の様式は所定のフォーマットを使用。
(日本語・英語、フランス語)
・所定のフォーマットを使用することが困難な場合には、任意のフォーマットでもいいが、「検査証明書へ記載すべき内容」が満たされている必要がある。
検査証明書へ記載すべき内容
1. 氏名、パスポート番号、国籍、生年月日、性別
2. 検査法、採取検体
3. 結果、検体採取日時、結果判明日、検査証明書交付年月日
4. 医療機関名、住所、医師名、医療機関印影
・有効な検体、検査方法などが記載された検査証明書のみ有効。
・所定のフォーマットを使わず、任意様式の証明書を提出する場合には、検体、検査方法などの必要事項該当箇所にマーカーをするなど、検疫時での協力も求められている。
有効な検査方法
次のいずれかの検査で陰性証明を受ける。
A. 核酸増幅検査
・real time RT-PCR法
・LAMP法
・TMA法
・TRC法
・Smart Amp法
・NEAR法
B. その他
・次世代シーケンス法
・抗原定量検査
有効な検体採取方法
・鼻咽頭ぬぐい液
・鼻腔ぬぐい液*
・唾液
・鼻咽頭ぬぐい液と咽頭ぬぐい液の混合
* 鼻腔ぬぐい液検体は核酸増幅検査のみ有効
日本の書式に対応している検査機関についてはこちらを参照。
日本入国時に必要なPCR検査と、日本用陰性証明に対応しているクリニックを徹底調査
カナダに帰国・入国
カナダ政府は6月14日、国内線とカナダから出国する国際線利用時のワクチン接種義務を解除した。ただし、カナダ入国について、市民権や永住権などの入国資格(ビザ)を持たない旅行者などの外国人の場合はワクチン接種義務を継続している。
- ワクチン接種完了者は検査証明書不要
- ワクチン接種完了者は入国時の検査は無作為
- ワクチン接種を終えていない人は検査証明書提出と、14日間の自宅等待機が必要
- ArriveCANの入力
- カナダの空港および国内線でのマスク着用義務
帰国・入国前の準備
ワクチン接種を終えている人
2022年4月1日以降、空路、陸路、海路でカナダに入国する新型コロナワクチン接種完了者は、出発前新型コロナウイルス検査の陰性証明書の提示は不要となった。英語またはフランス語のワクチン接種証明書を準備する。
ArriveCAN
ワクチン接種を完了しているかどうかにかかわらず、ArriveCANは必要。カナダ到着の72時間前に行う。
・ArriveCANアカウント作成 https://www.canada.ca/en/public-health/services/diseases/coronavirus-disease-covid-19/arrivecan/help.html#a2
・ワクチン接種を完了している場合はワクチン接種証明書をArriveCANにアップロードする。
・隔離計画の提出(ワクチン接種済みかどうかにかかわらず全員)
カナダ入国時コロナ検査
航空機で入国する場合、入国時コロナ検査対象に無作為で選ばれることがある。
到着時コロナ検査の登録
・バンクーバー空港
https://www.lifelabs.com/flyclear/onarrival/
・トロント空港
https://portal.switchhealth.ca/
・その他
https://travel.gc.ca/travel-covid/travel-restrictions/covid-vaccinated-travellers-entering-canada
ワクチン接種を終えていない人
新型コロナウイルス検査の結果証明書
カナダへの渡航が許されている(ビザを保有している)もののワクチン未接種である人、または2回接種が必要なワクチンで1回しか受けていない12歳以上のすべての渡航者は、入国前の新型コロナウイルス検査を受ける必要がある。5−11歳はワクチン接種完了保護者同伴で入国前検査が不要となった。
検査結果の証明書は次のいずれかが必要。
・有効な抗原検査の陰性証明
カナダ国外の認定を受けた検査機関や、検査を行う医療機関などで抗原検査(迅速検査)を、航空機の場合は予定されている出国時間の1日前、陸路や海路での入国では入国の1日前に受ける。キットで自分で検査を受けても陰性証明が出ないので要注意。
・有効な分子検査(PCR検査)の陰性証明
カナダ国外の認定を受けた検査機関や検査を行う医療機関などで検査を受ける。検査は航空機の場合は予定されている出国時間の72時間前、陸路や海路での入国では入国の72時間前に受ける。
・過去の分子検査の陽性証明
航空機の場合は予定されている出国時間、陸路や海路での入国では入国日の、10日前から180日までの間に分子検査を受けて陽性となった証明。抗原検査の結果は受け付けない。
自宅などでの隔離
ワクチン接種を終えていない人は、引き続き到着時、8日目に検査を受け、14日間隔離を行う必要がある。
ArriveCANや到着時テストの登録の手順はワクチン接種完了者と同じ。
市民権や永住権、滞在ビザなどを保有していない外国人でワクチン接種が完了していない場合は、引き続き入国禁止となっている。
(編集部)
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