カナダで人気の夏のアクティビティと言えば、なんといってもキャンプ。施設が整備されているところも多く、初心者でも思いっきり楽しめるところが魅力だ。
しかし、意外と奥が深い。何度やっても、どんなに準備万端と思って行っても、なにかどこかが抜けている。そして、次こそは!とまたやる気になってどんどんはまっていく。
そこで、今回はパークスカナダが伝授する、失敗しないキャンプの準備を紹介。7月7日、S.U.C.C.E.S.S.リッチモンドが主催した「キャンプに行こう!旅に必要な荷造りについて」で、パークスカナダ “Learn to Camp Team”からオラバ・グルナーさんとアマンダ・ダンさんが「伝授」した内容を紹介する。
重要なのは4つの項目
キャンプで最も大事なのは準備。「何度キャンプを経験しても、いつもなにか足りないことがあるので、しっかり準備できるようにここで習ってほしい」とオラバさん。4つの項目を順に説明した。
- Types of Camping
- CAMPASS
- Leave No Trace
- Reservations
キャンプの種類について(Types of Camping)
キャンプの種類?と思うかもしれないが、キャンプには初心者向けから上級者向けとレベルや好みによって3つの種類に分けられる。
・Driving Camping(Frontcountry Camping):トイレやシャワーなどを完備したキャンプ施設を利用するキャンプで、テントやRV(Recreation Vehicle)に泊まるタイプ。初心者から中級者向け。
・oTENTik(Comfort Camping):キャビンを利用するキャンプ。電気やヒートなどを完備した、街中と同じような施設で過ごすことができる。
・Back Country Camping:自分で荷物を背負って、あまり人がいないキャンプ地まで歩いて行ってキャンプする。上級者向け。
キャンプに行くと決めたら、最初にタイプを決めること。タイプによって持っていく物が変わるためで、どのようなキャンプをしたいかをまず決めよう。
CAMPASS
どのようなキャンプをするか決めたら、次はCAMPASSに沿って準備。これは、Clean、Apparel、Meals、Play、Sleep、Safetyの頭文字を取ったもの。
Clean:キャンプ地を清潔に保つための掃除用品。特に食器を洗う洗剤は重要。食べ物を収納しても、食器を使用後に洗わずに食べ物のにおいが残っていると動物がやってくることがある。動物からの被害だけでなく、動物保護の観点からも、食器洗剤は持参。環境に配慮したDegradable Soapがお勧めとアドバイスした。
Apparel:服装。キャンプへの服装は重ね着がポイント。一番下には化繊かウールの乾きやすい素材を着る。綿は濡れたときに乾きにくいので勧めない。その上に、スウェット、それから防水性の高いジャケットなど。靴や靴下は、キャンプのタイプに合わせて選ぶ。
Meals:食べ物だが、基本的に何を持って行ってもOK。キャンプと言えば、ホットドックとかのイメージがあるが、実際は好きなものを持って行っていいとのこと。塩・コショウ・食用油などは忘れがちなので、キャンプ前には必ずリストを作って準備する。
Play:遊び道具も忘れずに。サッカーボールやフリスビーなどがお勧め。
Sleep:寝具。できるだけ快適に寝られるように準備する。スリーピングマットやエアマットレスなど、自分と地面の間に層を作る。その上にスリーピングバックとなる。持っていく寝具は気温によって持っていく物が変わるので、キャンプの前には必ず天気をチェック。
Safety:身の安全を守るための準備と健康に過ごすためのキットのこと。ベアスプレー(クマよけスプレー)はクマ以外にも使えるので便利。使用期限は約5年のため、持っていく前に要チェック。クマよけの方法としては、話しながら歩くのも効果的。クマを驚かせないことが大事とのこと。日本でよく言われる鈴を持っていくはカナダでは特にお勧めの方法とはされていないということだった。また、サンスクリーンやFirst Aid Kitも忘れずに持っていく。頭につけるタイプのヘッドランプやエマージェンシーブランケットもあると便利。
これらの準備とともに、トリッププラン(旅行計画)を作ること。どこに、どれくらいの期間、どんな方法で行くか、いつ帰ってくるか、連絡先などを記載する。
Leave No Trace(形跡を残さない)
自然に敬意を払うということ。環境に影響がないようにするのが基本。ゴミはもちろんだが、食べ物なども含めて、持ってきたものは全て持って帰る。
動物とはかかわらないようにする。食べ物を与えたりしない。動物にとっても、人間にとっても、それが安全。
Reservations(予約)
キャンプに行くときは必ず予約をしていくこと。オンラインや電話で予約できる。ウェブサイトではさまざまなキャンプ場を紹介。自分の希望に合ったキャンプ場を選べるように細かく項目が分かれている。
気を付けたいのは、早めに準備をすること。
例えば、パークスカナダのキャンプ場は1年間の予約が1月に開始されるという。人数制限があるキャンプ場もあるので、早めに準備する。
準備が遅く予約が取れにくい場合でも、ショルダーシーズンと呼ばれる、5・6月、9・10月は比較的空いていて狙い目とのこと。
また、すでに予約で埋まっている場合でもキャンセルが出る場合もあるので、再度チェックするのがコツとアドバイスした。
パークスカナダは連邦政府の管轄だが、キャンプの準備はブリティッシュ・コロンビア(BC)州立のBC Parksでも同じとのことだった。
Parks Canadaキャンプ情報サイト:https://www.pc.gc.ca/en/voyage-travel/hebergement-accommodation
Parks Canada Camping 101サイト:https://www.pc.gc.ca/en/voyage-travel/hebergement-accommodation/camping-101#reserve
BC Parksキャンプサイト:https://camping.bcparks.ca/
(編集部)
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