カナダ統計局が8月16日に発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7.6%上昇した。しかし、6月の8.1%より上昇率は下がった。7月の減速は、ガソリン価格の伸び率が鈍化したことが要因と当局は分析している。
ガソリン価格の上昇率は35.6%、6月の54.6%よりも9.2%下がっている。これは2020年4月以降では最大の下げ幅となった。
ガソリンを除く物価は、6月の6.5%に続き、7月も前年同月比で6.6%上昇。ガソリン以外の物価は引き続き上がっている。
値上がりが顕著なのは、食料品、家賃、航空券、ホテル代、外食代と統計局が指摘。特に食料品は、6月は8.8%、7月は9.2%上昇。家計を直撃している。
食料品では、卵が15.8%(6月7.9%)、コーヒー・紅茶13.8%(同11.3%)、ベーカリー製品13.6%(同10.0%)、生フルーツ11.7%(同10.2%)、フルーツ加工品10.4%(同5.3%)、砂糖・菓子類9.7%(同5.2%)、清涼飲料水9.5%(同5.1%)が6月より大幅に値上がりしている。
夏の旅行シーズンを迎え、新型コロナウイルス感染拡大防止策が緩和されたこともあり、旅行関係の料金も上昇。航空券は25.5%、宿泊施設は47.7%、レストランなどの外食は7.3%、前年同月比で情報している。
家賃は7月に4.9%上昇し、6月の4.3%を上回った。
地域別では、全州で7月のインフレ率は6月より下がったが、唯一ブリティッシュ・コロンビア(BC)州のみ0.1%上昇し、8.0%だった。当局は、宿泊、自動車保険、ガソリン価格の上昇が影響していると説明している。BC州は家賃引き上げ率の上限を7月のインフレ率を基に州政府が決定するが、2023年はインフレ率よりも低くなると州政府関係者は語っている。
多くのエコノミストがカナダの物価上昇は6月がピークになると予測している。しかし、カナダ銀行は来月7日に発表する政策金利を引き上げるとみられている。
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