バンクーバーコンベンションセンターで7月29日から31日までの3日間、アニメコンベンションイベント「2022夏アニメレボリューション」が開催された。
日本文化の発信と、アニメやゲームなどを通じ、ファンとクリエイターの交流促進を目的とする「アニレボ」は毎年夏に開催されている。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大により中止となったが、今年は昨年に続き開催にこぎつけた。
会場内は、販売商品を楽しむメインイベント会場のボールルーム、コンサートやゲストとの写真撮影を楽しむベンダーホール、座席付きで展示物や講演会を行うルームがあり、各セクション3カ所に分かれていた。
このイベントは、日本から大物声優が訪れることがイベントの目玉の一つ。来場者の中には、シアトルやモントリオールから駆けつけたファンもいた。
日本からのゲストは古谷徹さんと小西克幸さん
今年のゲストは、ベテラン声優の古谷徹さんと声優・俳優として活動する小西克幸さん。古谷さんは「巨人の星」の星飛雄馬役、「機動戦士ガンダム」アムロ・レイ役、「美少女戦士セーラームーン」タキシード仮面役など数々の代表作を持つベテラン声優。小西さんは、「鬼滅の刃」の宇髄天元役などの代表作のほかゲーム好きの一面もあり、多方面で活動していることで知られている。
ゲストについては、あらかじめオンラインで応募をした方の中から抽選が行われ、当選したラッキーなファンのみ、写真撮影、サイン会などで直接会うことができた。またルームで質疑応答の時間も設けられ、ゲストはファンのさまざまな質問やリクエストに応じていた。
3日間を通じ会場内に設置してあったゲストの登場を予告する顔写真パネルをスマホで撮影する来場者の姿もあり、ゲストの人気ぶりが垣間見えた。
イベントの思い出に購入者が年々増加、公式キャラクター「千革メイ」グッズ
入り口にはアニレボの公式キャラクター「千革メイ」のグッズが売られていた。アニレボの公式ホームページにプロフィールが掲載され、ファンもいる。日本語の「革命」にちなんだ名前だ。
「千革メイ」のコスプレをして来場する人や、今年しか販売しないグッズを目当てに訪れる人の姿もあった。一番人気はクリアファイル。販売スタッフによると、キャラクターのファンでなくても、アニレボにきた思い出に残る品として、年々買う人が増えているということだった。
コスプレイヤーのケイティさん「バンクーバーと日本の人々をアニメが繋いでくれる大切なイベント」
会場で話を聞いたコスプレイヤーのケイティさんは、今年で5回目の参加。イベントでは壇上でピラティスを教えるイベントに登場し、ファンと写真撮影などで交流した。
ケイティさんは「日本のポップカルチャー、アニメカルチャーはすばらしい。バンクーバーと日本はとても遠く文化も異なります。ですが、アニメが国境を越えて人々を繋いでくれます。大切なイベントで、素晴らしい機会です」と話した。
イベントのメインはコスプレやコンサートだが、それ以上に人々の心に残るのは同じアニメを愛する仲間との交流だ。アニメファンと一口に言っても好みは十人十色。だが、鬼滅の刃に登場する人気キャラクターのコスチュームを纏う人を見つけたファンが「伊之助!」と声をかけている場面があり、コスチュームや持参したアイテムをきっかけに交流が始まる場面が何度も見られた。
体験コーナー、地元クリエイターの出店
公式キャラクターグッズのほか、ここでしか買えないものや、手作りで世界に一つだけのアート作品など地元クリエイターの作品なども販売されていた。
体験コーナーでは、イラスト体験、プラモデルの組立体験ができ、親子で訪れている人の姿もあった。会場に両親と共に訪れた兄妹は、「ポケットモンスター」の人気キャラクター・ピカチュウのプラモデル作りに夢中に。兄妹は、父のアドバイスでパーツの向きを変えたり試行錯誤しながら、完成するまでの工程をスピードを競争しながら楽しんでいた。
開催3日間を通し、例年の入場者は1万人以上。初日と最終日、会場内には市外や国外からこの日のために訪れたスーツケースを持つ来場者の姿も目立った。会場周辺にもコスプレの撮影や交流のみで訪れる人もいるため、ビジネスや旅行で足を向ける人々に加え、バンクーバー港周辺は活気に満ちていた。
(取材 生沼未樹)
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