日系文化センター・博物館で毎年9月第1週末に開催されている「日系祭り」が、今年で10周年を迎える。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で「ミニ祭り」として開催されたが、今年は例年よりも規模を大きくしてパワーアップ。イベントもフードもこれまで以上に充実し、より家族で一緒に時間を過ごせる工夫を凝らして、楽しさ倍増となっているようだ。
日系祭りを前に、日系文化センター・博物館事務局長ケーラ後新門フォスターさんと、日系祭り実行委員長ルイーズ阿久沢さんに話を聞いた。
10年目は全てが充実、浴衣着付けも神輿も復活、フードトラックやビアガーデンも拡大!
フォスターさんは「今年はフルスケールで開催します」と笑顔を見せた。祭りといえばやっぱりフード。例年よりフードトラックを大幅に増やし、日系センターの南側に「フードトラック・プラザ」が登場する。ここでは入場前にフードを買える。もちろん祭りでの屋台も健在で、こちらはガーデン内に並ぶ。
フードとくれば次はドリンク。今年はビアガーデンが拡大する。例年なら日系ガーデンの一角で飲めていたアルコール類だが、今年は日系ガーデン内ならビールや日本酒を片手に子どものイベント参加を見守るということもできる。
というのも、例年は館内で開催されていた子ども用のゲームが、今年は日系ガーデンで行われる。「親子でイベントを楽しんでもらいたい」と言う。
ガーデンでは櫓も立ち、盆踊りもあり、今年は神輿も復活する。しかも、これまでは土曜日だけだったが、今年は、土・日曜の両日に神輿が出る。祭りの本領発揮だ。
さらに、人気の「浴衣の着付け」も復活する。新型コロナの影響で人に接触する着付けは昨年は実施できなかった。しかし、阿久沢さんによると「浴衣を着て、写真を撮って、会場内を歩いてと、日本の祭りの雰囲気を楽しめる、人気のイベントなんです」と言う。女性だけではなく、男性用と子ども用も用意。「日本文化を体験していただきたいですね」と話した。
館内ではマーケットプレース、日系カフェ、パフォーマンスやワークショップ、古本市に加え、今年は指圧ルームが初登場。
フォスターさんは「例年より内容も充実させ、場所も拡大して、より多くの人を(日系祭りに)迎え入れたいと思っています」と語った。
日系祭りを始めた先人に感謝したい
「この日系祭りの10周年を迎えるにあたり、最初に実施した先人に感謝したい」と阿久沢さん。
日系祭りは日系センターにとって、1年で最大のファンドレイジング・イベントだという。日系センターはバーナビー市のコミュニティセンターではないため、運営管理資金を自分たちで調達する必要がある。設立から20年、「日系コミュニティの先人が残したこの建物や文化センターとしての役割を継続するための大事なイベントとなっています」と話した。
2022年日系祭り、9月3日、4日開催
今年は9月3日(土)、4日(日)に開催される。入場料は大人2日間10ドル(8月28日までに購入なら8ドル)、17歳以下、65歳以上、日系センターメンバーは無料。「メンバーは会員証を忘れずに持参してください」とフォスターさん。
入り口で混雑しないように今年は入場口を3カ所用意。事前にチケットを購入していればさらにスムーズ。
日系祭り開催中は地下駐車場は有料(10ドル)となり、こちらは早い者勝ち。1度駐車すればスポットを確保できるわけではないので注意。「路上パーキングを探す方は、近隣に迷惑がかからないようにお願いします」とのこと。
できれば公共交通機関での来場を勧めている。スカイトレインだとエドモンズ・ステーションが最寄り駅。歩いても約10分(ただし上り坂)で、目印はフードトラック・プラザ。最寄り駅からバスを利用すると日系ガーデン前で下車できる。
また館内はかなり混雑するので、安全のためベビーカーはガーデンのみで使用可。入場口で預かってくれる。
フォスターさんによると、今年は昨年のような新型コロナ規制は今のところないという。ただ「今後なにか公衆衛生規制が発表されれば、その時は対応します」と準備も怠りない。
現在ボランティアは約200人。フォスターさんは「フェスティバルパートナー、支援者、スポンサー、そしてボランティアの皆さんに、第10回日系祭り開催が実現することを感謝しています。そして、皆さんをまた迎えられることをうれしく思います」と語った。
2022年日系祭り
日時:9月3日(土)、4日(日)午前11時から午後7時まで
会場:日系文化センター・博物館(6688 Southoaks Crescent, Burnaby)
入場料:大人10ドル(2日間)、17歳以下、65歳以上、日系センター会員は無料
行き方:公共交通機関スカイトレインのエドモンズ駅から歩いて約10分、もしくはメトロタウン駅かエドモンズ駅でバス#119に乗り換えSperling Aveで下車
HP:https://nikkeimatsuri.nikkeiplace.org/
(編集部)
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