ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は10月27日、2030年冬季オリンピック招致活動を支援しないと発表した。
BC州ツーリズム・アート・カルチャー・スポーツ省リサ・ベア大臣は会見で「ヘルスケア、治安、生活費への投資など州政府の優先事項と、(開催の)費用や、リスク、潜在的な利益を検討して、今回は2030年招致を支援しないという決定をした」と語った。
2030年冬季五輪招致は、先住民族の4つのファーストネーション、Lil̓wat7úl(Líl̓wat)、 xʷməθkʷəy̓əm(Musqueam)、Sḵwx̱wú7mesh Úxwumixw(Squamish)、səl̓ilw̓ətaʔɬ(Tsleil-Waututh)が主導して展開している。
さらに、バンクーバー市、ウィスラー市、カナダオリンピック委員会(COC)、パラリンピック委員会(CPC)も参加。連邦政府スポーツ省も前向きな発言をしていた。
今回のBC州政府の発表に対して、ファーストネーションの首長は記者会見で、「BC州政府が最終決定をする前に自分たちと話す機会を設けてほしかった」と語った。
COCもCPCと連名で「ブリティッシュ・コロンビア州政府が、カナダに冬季オリンピック・パラリンピックを招致する先住民主導の取り組みへの支援を断念したと聞き、残念に思っている」と10月28日に声明を発表した。
今回のBC州政府の決定は、デイビッド・イービー次期州首相就任発表の数日後に発表された。
BCNDP政権、2026年W杯開催候補地も見送ったが一転招致へ
BC新民主党(NDP)政権は、2026年にカナダ・アメリカ・メキシコで共同開催されるFIFAワールドカップのカナダ国内開催候補地招致について「開催費用がいくらかかるか現時点で分からない」という理由で2018年にジョン・ホーガン州首相が参加を見送ると発表した。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ経済への起爆剤が必要と2021年夏に一転招致に名乗り。そして今年6月にバンクーバーがトロント(オンタリオ州)ともにカナダでの開催地に決まった。当初から招致に参加していたエドモントン(アルバータ州)が落選した。
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