ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では1月31日から、18歳以上の少量の違法薬物所持が罪に問われないことになった。この措置は連邦政府による3年間のパイロットプロジェクトの一環で、2026年1月31日まで継続する予定。
所持が合法化されるのは、2.5グラム以下のコカイン、メタンフェタミン、MDMA、オピオイド(ヘロイン、フェンタニル、モルヒネを含む)。
ただし、違法薬物の売買や密売は、罪に問われる。また、密売を目的に違法薬物を所持していた場合も同様。
学校や託児施設、空港での違法薬物所持も、これまで通り違法となる。また、バンクーバー市を含む複数の自治体は、市の施設やモール、カフェなどでの違法薬物の使用を禁止している。
BC州は、致命的な薬物過剰摂取の急増を受け、2016年に「公衆衛生の緊急事態」を宣言した。宣言から今日に至るまで、約1万人が過剰摂取で死亡している。
BC検視局(B.C. Coroners Service)は、2019年から2022年の違法薬物による死亡原因の約86%がフェンタニルとその類似品によるものと報告している。
刑罰免除については、違法薬物に対する偏見をなくすという政治家や活動家がいる一方で、薬物死防止に効果があるのは安全な薬物供給だけという専門家の声もある。
今回の措置は、BC州の申請に対し連邦政府が2022年5月31日、規制薬物・物質法(CDSA)の下で2023年1月31日から3年間、個人使用に限り特定の違法薬物の少量所持に対する刑事罰の免除を認めると発表したことに基づき実施された。
(記事 編集部)
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