JALTA第23回お話発表会、3年ぶりに元気な声が響く

JALTA日本語教育振興会主催・第23回お話発表会。参加者全員で。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today
JALTA日本語教育振興会主催・第23回お話発表会。参加者全員で。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today

 JALTA日本語教育振興会主催の第23回お話発表会が2月12日、バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホールで開催された。

 2020年3月からの新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021年、22年は中止となり、今年は3年ぶりの開催。この日のために練習を重ねた、小学科、基礎科、中高等科の生徒たちは、家族や先生たちが見守る中、緊張したそぶりも見せず練習の成果を発揮してそれぞれの「お話」を披露した。

「ステージに立って皆さんの前で発表することに意義」

3年ぶりに開催された発表会でトップバッターを務めた小学科の鈴木恵真さん。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today
3年ぶりに開催された発表会でトップバッターを務めた小学科の鈴木恵真さん。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today

 開会にあたりJALTA本間真理副会長は、新型コロナの影響で2年間発表会を開催しなかったことを「JALTAお話発表会は、ステージに立って皆さんの前で発表することに意義があると思っていました」とあいさつで語った。

 その通り、ステージに立った生徒たちは自信に満ちた表情で自分の「お話」を語り聞かせた。お話発表会では自分の「お話」を原稿を見ずに発表する。

日本のアニメが大好きと話した、基礎科のユー・トニーさん。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today
日本のアニメが大好きと話した、基礎科のユー・トニーさん。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today

 トップバッターだった小学科の鈴木恵真さんは、カナダの先住民についてレイバン(大ガラス)やサーモンが象徴する意味や環境へのかかわり方などを話した。基礎科のユー・トニーさんは、アニメが大好きで日本語を習っていて、日本語でアニメが読むことの楽しさや日本に行ったときに父親の通訳をした経験を明るく紹介した。

 学年が上がると「お話」は長く、内容もグッと濃くなる。コバザー・ヴァネッサさんは柔道について熱く語り、廣本ジャズミンさんはロストラグーンについての詳しい観察などを表現力豊かに語った。

「発表は難しかった」と生徒たち

あいさつで生徒たちに語りかける在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today
あいさつで生徒たちに語りかける在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today

 来賓として出席した在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事はあいさつで、「お話発表会のプログラムを拝見するととってもおもしろそうで聞くのを楽しみにしていました」と生徒たちに語りかけた。発表会終了後には「一生懸命練習したというのが感じられて。それぞれの家族でも、学校でも、一緒に思いを込めてやってらっしゃるなと感じました。とっても楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました」と語った。

この日のためにがんばったことをステップに「日本語の勉強をこれからもずっと続けてくださいね」とJALTAベイリー智子会長。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today
この日のためにがんばったことをステップに「日本語の勉強をこれからもずっと続けてくださいね」とJALTAベイリー智子会長。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today

 JALTAベイリー智子会長は閉会のあいさつで、2年間休んだお話発表会だったが「今日こうして皆さんの大好きなもののお話、楽しかった経験、こういう発表を元気な声で分かりやすくしてくれたこと、本当にうれしく思います」と生徒たちを称えた。そして、「発表は難しかったですか?」と聞くと、生徒から「うん」という返事が。この日に向けた生徒たちの努力が垣間見えた。

 発表会終了後に話を聞くとベイリー会長は「いつもすばらしいですが、今年は本当に完成度が高かったと思います。一人一人のお話が、とてもとても、宝石のように輝いていて、すばらしいお話ばかりでした」と感心した。

 今年はJALTA加盟8校から生徒が参加した。

参加生徒と「お話」タイトル

小学科(Elementary Course)

・「カナダの先住民」鈴木恵真(Emma Suzuki)
・「わたしの学校」菊池真悠(Mayu Kikuchi)
・「こびとたちと大きな木」坪田舞莉(Mari Tsubota)
・「兄弟のりき」野村斗真守(Thomas Nomura)
・「なまえのゆらい」チェン輝(Teo Chen)
・「冬休みのおもい出」池内すずな(Suzuna Ikeuchi)
・「でん車」ダンフィールド・タイラー(Tyler Dunfield)
・「オーストラリアのクリスマス」ナドルスキ愛仁花(Anika Nadolski)
・「日本とアメリカの学校のちがい」バーバー・マックス(Maxwell Barber)
・「日本へ行った思い出」ガニョン咲来(Sakura Gagnon)
・「冬休み」足立凌(Ryou Adachi)

基礎科(Fundamental Course)

・「日本語のべんきょう」ユー・トニー(Tony Yu)
・「私の好きなもの」カッツフロス・フェイス(Faith Katsafouros)
・「マウンテンバイク」ブラックモア・マーカス(Marcus Blackmore)
・「わたしのかぞく」ハットン・エミ(Emi Hutton)
・「うつくしいじゅうどう」コバザー・ヴァネッサ(Vanessa Covaser)

中高等科(Junior &Senior High Course)

・「ロストラグーン散歩」廣本ジャズミン(Jasmine Hiromoto)
・「バレーボールを通して学んだこと」三島綾人(Ayato Mishima)

劇団「座・だいこん」による賛助出演。演目:「春はあけぼの」(『枕草子』の冒頭より)。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today
劇団「座・だいこん」による賛助出演。演目:「春はあけぼの」(『枕草子』の冒頭より)。2023年2月12日、バンクーバー市バンクーバー日本語学校並びに日系人会館ホール。Photo by Japan Canada Today

(取材 三島直美)

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