ねぇ、貴方の息子さんの経験談「又聞き」だけどぅ、彼がさぁ、随分前にママに頼まれてカリフォルニアの田舎街に「聖灰」「聖蜜」そして、「聖水」の出る「魔法の家」への同行を頼まれ同行してさ。
そこで、灰と蜜と水を全部もらって、サンフランシスコへ戻る車中、彼の手にある紙袋の中の水と蜜と灰が、皆熱くなって、「熱い!」と言ったら、貴方が「うーん、それはね、今、天の宇宙エネルギーが発生しているのよ。少ししたら冷めるよ」と言ったのですって?「本当?」「それで、それが幸運を呼ぶって?」
南インドのサイババの居住地、プッタパルティへの行き方を尋ねに行った、目黒のサイセンターから、インドから帰国後、時々彼らの行事の情報が送られてくるようになった。ある時、広島と岡山の間くらいに位置し、瀬戸内海に面した、ある会社の保養所で、日本サイセンターの全国大会があるという。早速、私は参加申請し、時も時、東京に住む母が病気で寝込んでいるという。見舞いをかねて日本へ行った。そして、2泊3日で全国大会へ行った。まあ、眺めの素晴らしくいい会場だった。日本全国から大勢の人が集まり、大会は始まった。その日、3階か、4階か忘れたが、寝室から階段をどんどん下り2階の講演会場へ行った。会場入口、少し手前の廊下に花を飾り周囲をロープで囲ったところがあった。そこに2-3人の女性が立ち、来る人、来る人に、そこから離れて歩くように指示している。理由はその花の周り全体に「アムリタ」と皆が呼んでいる「聖蜜」が湧き出ているので、濡れないように離れて歩けと言うのだ。誰がいたずらした訳でもない、しかし床の一部が香りのある何かで濡れている。
アムリタ「聖蜜」やビブーティ「聖灰」が出るのは、サイババの祝福の表れで、誰もが幸せ感で胸がいっぱいになる不思議現象だ。その時、会場に大勢の人達が集まり講演が始まった。湯川れい子さんやその他の著名人も講演。その講演の何番目かに鮫島さんと言う方がいた。彼は当時既にIT関係の仕事を日米で経営する人の様だった。そして、その彼の話と自作映画の内容はサンフランシスコから車で1時間ほど離れた小さな町にあるインド人家族の「魔法の家」の話だった。その家に飾った聖人、キリストやサイババ、仏陀などの写真から、聖灰や聖蜜が出る。そして、それらを飲んだり、身体につけたりすると色々な病が回復しているのだ。その話を聞いているうちに、私は病気の母を思い、鮫島さんに会い、其処への行き方を聞こうと決心したのだ。彼の話はまるで天からの授けのようだった。
講演終了後、私はVIPが集まる場所へ近付き、何とか鮫島さんに会おうとした。
ところがVIP周辺にはいつもボランティアが立っていて、私のような要件の訪問者は中に入れてくれない。毎回、食事時を狙ってみたが、全く会える可能性はなかった。
そうして、とうとう最終日だ。朝から私はもう諦め、東京へ帰ってから、又目黒のサイセンターへ行き、事情を話し、助けてもらおうなどと考えながら会場入口へ行った。そこで係員に駅までのタクシーを呼んでくれるようにお願いした。すると、その係員は「ちょっと待ってください」と言って中へ入り、数分で出てきた。そして、彼女はニコニコしながら、「今ここに白いヴァンが来ます。それが駅まで行きますから、それに乗って行って下さい」と言うのです。私は「ありがとう、助かります」と言って外へ出た。
そこへ白いヴァン来た。運転手が下車して、ドアを開けてくれた。早速、私は荷物と一緒にシートに座り隣席の人に挨拶した。「ええ…!」。そこにいた隣席人はなんと「鮫島さん」だった。
彼は親切にカリフォルニアの「魔法の家」への行き方、その家主への連絡までして下さるという。新幹線の駅まで車で距離がかなりあり、互いに話す時間が十分あった。駅に到着すると、彼が私の荷物を持ってプラットホームまで来て、列車に乗る私を見送って下さった。
アレー、あの時、彼の荷物はどうなっていたのかなぁ?車に戻った?
これってやっぱり「セレンディピティ」幸運をつかむ!
セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。
許 澄子
2016年からバンクーバー新報紙でコラム「老婆のひとりごと」を執筆。2020年7月から2022年12月まで、当サイトで「グランマのひとりごと」として、コラムを継続。2023年1月より「『セレンディピティ』幸運をつかむ」を執筆中。
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