WBCカナダ代表・元巨人スコット・マシソン投手インタビュー「日本代表と対戦できたらうれしい」

WBC(2017)で登板したカナダ代表スコット・マシソン投手。Photo provided by Baseball Canada
WBC(2017)で登板したカナダ代表スコット・マシソン投手。Photo provided by Baseball Canada

 世界20カ国が参加し、盛り上がりを見せているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。カナダはアメリカやメキシコと同組のプールCで、現在アメリカ・フェニックスで1次ラウンドを戦っている。

 チームカナダには読売ジャイアンツで投手として活躍していたバンクーバー出身スコット・マシソン投手が代表入り。WBCは今回で4回目の出場となる。

 フェニックスへの移動を前にした3月6日、電話インタビューでカナダ代表や日本代表について話を聞いた。

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カナダ代表は投打、若手とベテランのバランスが取れたチーム

 カナダ代表選手たちは3月7日からフェニックスで全体練習や練習試合を行い、3月12日からWBCに臨んだ。フェニックス入りするまでは各自が所属チームなどでトレーニングを行っていたという。マシソン投手はフロリダでトレーニングをしていた。

-今回で4回目のWBCで、カナダ代表としては最多出場ですね。

 そうですね(笑)

-2019年にプロ野球を引退した後、2020年東京オリンピックの予選でカナダ代表入り、今回のWBCでも選手として復帰していますが、カナダ代表でプレーしようと思ったのはなぜですか?

 膝をけがして手術したので長いシーズンを投げるということはできないけど、1週間や2週間ならプレーできるので。今回(WBC)はチームカナダから依頼があって受けました。他の選手がけがをしたり、投げられなかったりした時のためにブルペン入りしてほしいと。

 若い選手を助けたり、必要な時はバックアップとして控えていて、若い選手のプレーする機会を奪わないのであれば、喜んで参加すると伝えました。

-今回のチームカナダはどんなチームですか?

 若手とベテランのバランスが取れたチームだと思います。John Axfordや自分や、Adam Loewenなど20年以上やってるベテランもいれば、まだメジャーを経験していない若い選手もいる。かなりいいバランスだと思います。

 オフェンスもディフェンスもいい感じに揃ってます。Tyler O’NeillやFreddie Freemanもいて、打撃の方はかなり期待できますね。ディフェンスも悪くないと思います。

-これまでカナダは準々決勝に進んだことがありませんが、今回は大丈夫と?

 そうですね、これまで1次ラウンドを通過したことはないので、今回は準々決勝に進むことがまずは目標。(プールCでは)メキシコ、コロンビア、イギリスに勝てば行けると思うし、行きたいですね。ただ、野球だから、何が起こるか分からないけど(笑)

-マシソン選手は4回目の出場ですが、どういうことに期待していますか?

 WBCを楽しみたい。チームではなにか手助けになるような役割ができればと思っています。投手としては、何かあったときにイニング途中から投げてイニングを終えたりとか。若い時は中心的な役割を担っていたけど、今回はチームの助けになる役割ができればうれしいかな。また、若い選手にとってWBCは緊張するものなので、アドバイスしたりして、精神的な支えにもなれたらいいかなと思います。WBCではアメリカや日本など世界のトッププレーヤーと対戦するし、冷静に戦うのが難しいこともあるし。自分も若い時は緊張した経験がありますしね。

-WBCでカナダ代表としてプレーすることに特別な思いがありますか?

 ありますね。また、特にメジャーリーガーにとっては特別な思いがあると思いますね。(WBCは)カナダ代表としてプレーできる唯一の世界大会だから。あと、若い選手にはメジャーのプレーとは何かをちょっとだけでも体験できるいい機会だと思います。

日本代表とWBCで対戦したい

-2023WBC日本代表について聞かせてください。

 とってもエキサイティングなチームだと思う。自分もチームジャパンの試合を楽しみにしています。できれば対戦したいですね。笑。

-ジャイアンツ時代に一緒にプレーしたり、対戦したりした選手はいますか?

 若い選手を除いてはほとんど対戦した選手じゃないかな。ジャイアンツからは誰か選ばれてる?

(大勢選手、大城捕手、岡本選手などが登録されていることを伝えると)みんな良く知っているよ。大城は一番好きなキャッチャーだった。彼が代表に入ってうれしい。みんな活躍すると思う。フェニックスに移動する時に連絡してみるよ(笑)

 カナダが準決勝に進んで日本と対戦できたらうれしいですね。日本が大好きだし、日本のファンも大好き(笑)

-カナダの日系カナダ人コミュニティに向けてメッセージをお願いします。

 日本人が野球に熱狂的なのはよく知ってるし、僕の考えでは、日本の野球ファンは最高だと思う。アメリカよりも、南アメリカよりも、全然すごい。あんなにいいファンには会ったことがない。

 できれば僕(カナダ)を応援してほしいけど、やっぱり日本を応援するかな(笑)。僕もカナダが負けてしまったら日本を応援するよ(笑)。

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 日本が大好きというマシソン投手。今年も日本訪問を予定しているという。日本の野球も、日本の野球ファンもリスペクトし、WBCでは日本と対戦できることを期待していると声を弾ませる。

 カナダは3月14日時点で、2勝1敗でアメリカと並んでプールC1位。15日のメキシコ戦の結果で1次ラウンドの順位が決定する。マシソン投手は14日のコロンビア戦で9回に登板。無失点に抑えて5-0の勝利に貢献した。

 WBCは3月21日まで、熱い戦いが続く。カナダ代表とマシソン投手の活躍で、日本とカナダの直接対決が実現することを期待したい。

スコット・マシソン(すこっと・ましそん)
ブリティッシュ・コロンビア州ラングレー出身。
2012-19年、読売ジャイアンツに在籍。2019年プロを引退。
カナダ代表として、WBCは2006年、2013年、2017年に出場。2021年6月に東京オリンピック予選でもカナダ代表入り。

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