日本がカナダ産牛肉輸入の全面解禁、加工品は20年ぶり

 日本がカナダ産の牛肉および牛肉製品に対する最後の規制を解除し、20年ぶりに加工品も輸入することになった。3月27日カナダ政府が発表した。カナダの輸出業者にとっては市場アクセスの拡大、日本の消費者にとってはカナダの高品質な牛肉製品へアクセスできることになる。

 これは、2003年にカナダ・アルバータ州で牛海綿状脳症(BSE)の症例が見つかった後、日本が実施した厳しい輸入制限を完全に撤廃するもの。カナダ食品検査庁は、過去数年間、カナダ農業・農産食料省の支援を受け、日本などの主要市場でフルアクセスを再開するために働きかけてきたと声明で発表している。

 カナダの牛肉産業にとって、日本はアメリカに次ぐ世界第2位の重要な市場。カナダ政府によると、2022年のカナダ産牛肉および牛肉製品の日本市場は約5億1,800万ドル。これは、環太平洋パートナーシップに関する包括的および進歩的協定(CPTPP)に基づくカナダの優先的アクセルによるものと説明している。今回の市場アクセスの機会拡大は、2019年に日本が30カ月齢以上の牛の牛肉の輸入を承認して以来となる。

 CPTPP下での日本の牛肉輸入関税(ひき肉などの一次加工品を含む)は、2023年4月1日に38.5%から23.35%に下がり、2033年には9%まで下がるとされている。それ以降は、加工牛肉製品は場合によっては関税が完全撤廃されるという。

 カナダ農業・農産食料省マリー-クロード・ビボー大臣は声明で、「今回の対応は、インド太平洋地域の信頼できるパートナーである日本との貿易関係における大きな一歩」と述べている。

(記事 編集部)

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