世界で活躍するスケーターズたちによるアイスショー、スターズ・オン・アイス(SOI)が5月18日、バンクーバー市のRogers Arenaで開催された。日本からは宮原知子さんが、パトリック・チャンさん、キーガン・メッシングさん、ジェーソン・ブラウンさんなどのスケーターたちと共演。現役の頃と変わらない美しい演技を披露し観客の喝采を浴びた。
実はこのバンクーバー公演、今シーズンで引退を表明しているカナダのレジェンド、カート・ブラウニングさんのカナダ国内最後のショー。共演者とのお別れのシーンには涙を誘いもしたが、ダブルジャンプやバックフリップなどを惜しげもなく何度も披露、最後までたっぷりファンを楽しませて氷上を後にした。
「スケートを好きで習っていると思うので、その気持ちを忘れないで」
昨年競技選手としての活動を終えてすぐにSOIカナダツアーに参加した宮原知子さん。今年は2年目ということもありカナダ人メンバーとの息もぴったり。
インスタグラムでもとても楽そうにツアー中の写真をアップしている。そんな宮原さんにバンクーバー公演直前に話を聞いた。
―SOIカナダのツアー参加は2年目となりますが、いかがですか?
とても楽しいです。去年は参加が初めてだったし、カナダ人選手ばかりの固くまとまったチームのなかに入っていったので少し緊張もあったのですが、皆さんとても優しく受け入れてくださって。今年はアメリカやヨーロッパの選手などインターナショナルなメンバーなので去年と違った新鮮な感じもあり、また違った良い仲の深まり方をしている感じです。
―ツアーでいろいろな都市を周りながらショーをするという体験はいかがですか?
初めてのリンクに到着してすぐショーで滑る、というのも去年よりは慣れたと思います。各会場で氷の感じが違ったり、観客の方の反応が違ったりというのも楽しみながら滑ることができるようになりました。ツアー中は移動も多いし良いスケートができるように体のメンテナンスなどポイントを押さえて大切に過ごす日々ですがそれも慣れました。現地の食べ物を試すのが好きなので、都市ごとにいろいろな美味しいものを皆で食べに行くという楽しみもありますね。
―ショースケーターとして競技選手のときとは違った一面が見られるのを楽しみにしいているファンの方も多いと思います。
去年よりはショーで演技をすることには慣れてきたと思います。競技をしていたときよりはいろいろなプログラムを披露する機会があって違った大変さはあるのですが、楽しいですね。
―今回のツアーでは好きな演目はありますか?
ソロも大切にしていますが007が好きです!
(その時横のリンクでウォームアップを続けていたカート・ブラウニングさんが滑りながら「サトコ~」と声をかけて通りすぎる)
(カートさんは)スケーターとしてはすごい方ですが、本当に明るくて楽しい方なんですよ!
―先ほど会場の外でちょうどスケートを習っている日本人の女の子たちがいて宮原さんの演技を楽しみにしていると話していました。彼女たちに何かメッセージはありますか?
嬉しいですね。・・・そうですね、みんなスケートを好きで習っていると思うので、その気持ちを忘れないでということですね。きっと辛い時もあると思うのですが私が大切にしているのは、なぜそんな思いをしてまで続けているのかを忘れないでということですね。そんな時こそ改めてスケートっていいなと思えたらいいと思うので。
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メンバー中で日本人は一人という環境だが、皆とても仲が良いのでと笑顔を見せる宮原さん。この後は6月上旬までアメリカの都市もツアーで回る。
「これからもできる限りいろいろなショーに出たいと思っていますし、SOIにもオファーをいただけるのなら出たいと思っています。自分の違ったー面を演技でどんどん見せていきたいですね」と話していた。
最後にカナダの印象を聞くと「カナダのメープルシロップは本当に美味しいし、(バンクーバー島の名物)ナナイモ・バーも大好きなんですよ!」と実は甘党な一面を見せた。
(取材 Michiru Miyai)
後編は、キーガン・メッシングさんへのインタビューを紹介します。
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