トロント日本映画祭で上映の2作品「ラーマ―ヤナ ラーマ王子伝説」「土を喰らう十二ヵ月」、バンクーバーでも上映決定

 現在開催されているトロント日本映画祭2023。カナダで邦画が集結する映画祭として毎年人気を博している。

 その中から今年バンクーバーで上映されることが決定している2作品、「ラーマ―ヤナ ラーマ王子伝説」と「土を喰らう十二ヵ月」を紹介する。

「ラーマーヤナ ラーマ王子伝説」(原題:Ramayana: The Legend of Prince Rama)

「ラーマ―ヤナ ラーマ王子伝説」より。Photo provided by Momo Films
「ラーマ―ヤナ ラーマ王子伝説」より。Photo provided by Momo Films

 1992年に製作された日印合作の隠れた傑作長編アニメーション映画が、新たに4Kデジタルリマスター版として復活する。ヒンドゥー教の聖典でありインドの2大叙情詩のひとつとも言われる「ラーマーヤナ」を日本が誇るハイクオリティなアニメ技術によって映画化。

 インドからはインドアニメ界の最高峰ラム・モハン氏が、日本からは佐々木晧一氏が、監督して参加。さらにインドから当代一流のシナリオライターや音楽監督、美術家、映画俳優が参加し、日本からは宮崎駿監督作品でも活躍していたアニメーターたちを含め総勢450人による10万枚以上の手書きセル画で、約8億円、9年をかけて完成した作品。

ストーリー

古代インド、コーサラ国の王城アヨーディアでは、3人の王妃に4人の王子が生まれ、それぞれ立派に成長した。宮廷内の陰謀により14年間にわたり宮殿を追放された王子ラーマは、絶世の美女シータ妃をともなって森に隠棲していた。そんな折、森の悪魔を退治したラーマは魔王ラヴァナの怒りをかい、妻シータを誘拐されてしまう。

猿軍の協力を得てシータの救出に向かうラーマ。しかし強力なラヴァナ軍との戦闘中に弟ラクシュマナは瀕死の重傷を負う。このとき猿軍の将ハヌマ-ンが天翔けてヒマラヤに飛び、傷を癒す薬草の生えた山をそのまま担いで運び、弟ラクシュマナの命を救う。やがてラーマ軍は“天の武器”を使ってラヴァナ軍を倒し、アヨーディアに凱旋する。

トロント日本映画祭上映:6月18日(日)午後1時

バンクーバーでは、VIFF Centre、RIO Theatreなどで上映予定。日時は未定。

「土を喰らう十二ヵ月」(英題:The Zen Diary)

「土を喰らう十二ヵ月」より。Photo provided by Momo Films
「土を喰らう十二ヵ月」より。Photo provided by Momo Films

 沢田研二、松たか子主演、料理研究家・土井善晴が料理監修を務めた話題作。長野の雄大な自然を背景に、四季折々の食で綴る人生ドラマ。

 監督・脚本は「ナビィの恋」「ホテルハイビスカス」の中江裕司。脇を固めるのは、西田尚美、尾美としのり、檀ふみなどのベテラン俳優。原案は、水上勉の料理エッセイ「土を喰う日々-わが精進十二ヵ月-」(新潮文庫)。

 バンクーバーではVIFF Centreで9月に上映が決定している。

ストーリー

作家のツトムは人里離れた長野の山荘で一人暮らしをしている。山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら、原稿をしたためている。時折、担当編集者で恋人の真知子が、東京から訪ねてくる。食いしん坊の真知子とふたり、旬のものを料理して一緒に食べるのは楽しく、格別な時間。歳の離れた恋人がいて、悠々自適な暮らしをするツトムだが、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいる。

トロント日本映画祭上映:6月17日(土)午後7時

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