トロント市長にチョウ氏、初の中国系市長の誕生

 カナダ最大都市の市長に中国系カナダ人のオリビア・チョウ氏が就任した。6月26日に行われたオンタリオ州トロント市長選でチョウ氏が約38%を獲得して勝利。2位のアナ・ベイラオ氏をわずか3万票差で下した。

 チョウ氏はトロント市議会の元市議で、市長選に挑戦したのは2014年に続いて2回目。2005年には新民主党(NDP)から連邦選挙に挑戦し、当選。夫は元NDP党首ジャック・レイトン氏。2011年選挙で俗にいう「オレンジ旋風」を巻き起こしNDPを野党第一党までに押し上げた。

 チョウ氏は勝利宣言で、「トロント市民は変化を求めていることを示した」と述べ、「より思いやりがあり、より安全で、経済的に住みやすい都市を築くために、努力は惜しまない」と語った。トロント市は、高騰する住宅問題、治安、借金など多くの問題を抱えている。できることはオンタリオ州と一緒に力を合わせていきたいとも語った。

 これで、ジョン・トーリ前市長の下で13年続いた右寄り政治から脱却することになる。同じく右寄りの進歩保守党オンタリオ州ダグ・フォード州首相と協力していけるか注目される。

バンクーバーに続いてトロントでも中国系カナダ人市長誕生

 昨年ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で行われた地方選挙でバンクーバー市長に就任したのは中国系カナダ人ケン・シム氏。バンクーバー史上初の中国系市長として注目を集めた。

 続いて、カナダ最大都市トロントでも中国系カナダ人市長が誕生した。女性の市長は3人目という。

 シム市長はビジネス界からの転身だが、チヨウ市長(66)は1992年にトロント市議に当選して以来、国会議員も務めたベテラン政治家。13歳の時に両親ともに香港からトロントに移民してきたという経歴を持つ。

 カナダ3大都市の2つで中国系市長誕生にカナダの多文化主義を感じる結果となった。

(記事 編集部)

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