終活は新しい大人のマナー
叶多範子
このコラムの読者の方や実際にお会いしたことのある方に時々、範子さんの肩書きの「海外終活アドバイザーって何ですか?」と訊かれることがあります。
海外に住んでいる終活アドバイザーだから?
答えは、、、、、、半分正解です!
実は「海外在住の日本人のための終活アドバイザーでありたい」という想いから、自分で作って名乗っている肩書きです。
海外に住む私たちのほとんどは、今住んでいる国と日本の両方に家族や銀行口座などの資産を保有しているケースが圧倒的に多く、つまりなんでも2つずつ所有している、W(Double)な私たち!!
海外に住むことになった理由やきっかけは人それぞれで、外国で人生を終える人もいれば、しばらく住んでから最終的には日本へ帰る人もいます。また子供が違う国に住むことも昨今では珍しくないことから、2つ、もしくはそれ以上の複数の国にまたがり、家族や資産を持つ人が増えてきています。
また家族・親族は全て日本におり、カナダでは身内が誰もいない「おひとりさま」という方も少なくありません。私が終活アドバイザーになったきっかけも「おひとりさま」で、カナダで亡くなった友人でした。
終活をする理由の1つに、家族や周りの人に必要以上の負担をかけないためというのがあります。自分の人生を終えた後、遺された家族は悲しむ間もなく、次々とお葬式や相続手続きなど矢継ぎ早に多くのことが求められます。
しかし、あなたが終活をして、自分の思いや所有物などをきちんとわかりやすい形にしていれば、その負担をグッと軽減させることができます。
終活は他ならぬ自分自身と向き合う時間でもあるため、自分が本当にしたいことは何か?やり残したことはないか?そんな自問自答がじっくり出来るチャンスでもあります。
自分の気持ちや頭を整理することで、これからしたいことの優先順位が明確になり、今後の人生で自分にとって本当に大切なのは何か、もしもの時には何が心残りになりそうか?それがわかれば、これからどう対処していくか、どんな準備が必要なのかがわかってくるでしょう。人によっては、グズグズしてたら全てやっている時間がないかもしれない!と焦る人も出てくるかもしれません。
今まで家族のために生きてきた
夢を叶えられなかった
行きたいところにまだ行けていない
会いたい人に会えていない
やりたいことが実現できていない
など、とにかく自分の魂が喜ぶことを優先して生きてこなかったという人は終活を機に、これからの人生は、どうやったら自分らしく、自分の思うような人生を歩んでいけるかプランを立ててみることをお勧めします。
そうは言うものの、学業、仕事、子育て、介護に時間を取られていて、なかなか出来ない!という方もいらっしゃるでしょう。
私は友人の死がきっかけで終活に取り組み始めましたが、読者のみなさんの中には、終活をしたいと思っていてもなかなか忙しい毎日の中で、優先順位が下がってしまったり、結局時間が作れないままになっている方も大勢いらっしゃると思います。
終活をすること自体は格段に難しいことではないのですが、終活をそれなりに終わらせるためには、ある程度の時間がかかるため、最初はほんの5%、10%しか出来なくても、取り掛かるのは早い方がいいのです。
「いつか、いつか」と思っているなら、手遅れになる前に始めて、すっきりさせてしまいましょう〜!
「Let’s海外終活~終活は新しい大人のマナー」の第1回からのコラムはこちらから。
叶多範子(かなだ・のりこ)
海外終活アドバイザー
「なんの準備もなく、認知症になられて困った!」、「終活をせずに亡くなったため、わからないことだらけ!争いが起きた!」という人を少しでも減らしたいという思いから終活アドバイザー資格を取得。特に海外に住んでいる日本人の方を対象とした、あなたと大切な家族のための「海外終活」を学べる講座や相談会の詳細は、ブログやフェイスブックでご確認いただけます。
ブログ: https://globalmesen.com/
Facebook: https://www.facebook.com/noricovancouver
終活の基礎知識がさらっと学べる、書籍「海外在住日本人のための50代からの終活」を出版しました。
書籍(アマゾンカナダ):https://a.co/d/fjF2nfD
家族はカナダ人の夫+息子2人+猫1匹、バンクーバー在住。
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