ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の港湾労働組合が7月19日に出した72時間前再ストライキ通告を数時間後に取り消した。労使交渉で再び決裂したことによるストライキ再開が回避されることになった。
7月13日、港湾労働者組合(International Longshore and Warehouse Union:ILWU)と雇用者団体(B.C. Maritime Employers Association:BCMEA)は暫定合意に達し、ストは終了した。しかし合意を承認する段階になって、ILWUは、調停者が示した和解条件では現在または将来の組合員の仕事を守ることができないとし、これを拒否してスト再開を決めた。
当初、ILWUは即日の7月18日にストを再開する予定だった。しかし連邦政府シームス・オレガン労働担当大臣が、第三者機関the Canada Industrial Relations Board (CIRB) が19日に72時間前の事前通告なしにストに入るのは違法であると決定したと言及。それを受け、19日朝に72時間前スト再開を通達、22日午前9時からストライキに入る予定だった。取り下げの理由は明らかにされていない。
7月1日から2週間にわたって行われたストは、運送業を始めとする各方面に大きな悪影響を与えた。Greater Vancouver Board of TradeのCEOブリジット・アンダーソン氏は声明で、前回のストで約10億ドルの貿易品が影響を受け、解雇やビジネス閉鎖など深刻な事態を引き起こしたとしている。そのうえでスト再開となれば、ビジネスにさらなる打撃を与え、貿易パートナーとしてのカナダの国際的な信用も失墜するだろうと憂慮していた。
BCMEAは19日の声明で13日に暫定合意に至った協定では、「ILWU労働者は4年間で19.2%の賃上げを受けることになり、その結果、ILWUの平均収入は、手当や年金を含めず、136,000ドルから162,000ドルに上昇することになる。提案された賃上げは業界平均を大きく上回っているが、ILWUリーダーシップはこれでは不十分だと判断した」と発表していた。
(記事 編集部)
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