カナダ6月のインフレ率は2.8%も、食料品は依然高く9%上昇

 カナダ統計局は7月18日、6月の消費者物価指数(CPI)を発表。5月の3.4%上昇に続き、6月は前年同月比2.8%上昇した。ただ、上昇率は鈍化しており、2021年3月以降では最も低い水準。

 減速幅はかなり広範で、ガソリン価格の下落が全体のインフレ率鈍化を導いたが、ガソリンを除いたインフレ率は、5月の4.4%に続き6月も4.0%上昇した。

 インフレ率上昇の要因は食料品と住宅ローン金利。6月の食料品価格は9.1%、住宅ローン金利は30.1%上昇した。

 食料品価格は5月の上昇率9.0%からほぼ横ばいとなったが、全項目の中では依然として高い。食料品の中でも上昇率が高かったのは、肉類6.9%、ベーカリー製品12.9%、乳製品7.4%、その他の調理食品10.2%。生鮮果実価格は、前年同月比10.4%と5月5.7%を上回った。外食は6.6%で、5月6.8%よりやや下がったものの、引き続きCPI上昇に貢献している。

 6月のガソリン価格は、前年同月比21.6%下落で、5月の18.3%を上回る下落率となった。ガソリン価格以外にも、携帯電話サービスが14.7%減、5月の8.7%より下落した。データプランの価格下落とプロモーションによるところが大きいとしている。また、インターネット価格も3.2%下落。主にオンタリオ州とケベック州でのプロモーションが価格下落を引き起こしていると分析している。

 住宅ローン金利の上昇は、カナダ銀行の政策金利引き上げが大きく影響している。カナダ銀行は今月政策金利を5%とし、2022年3月から10回金利を引き上げている。

(記事 編集部)

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