トルドー首相、大規模内閣改造を実施も大臣の男女同数は変わらず

 ジャスティン・トルドー首相は7月26日、大規模な内閣改造を実施した。変更がなかったのは8大臣のみ。今回入閣しなかった7元大臣のうち、4人は次期選挙に出馬しない意向を内閣改造前から公表、3人は議員を続けるも入閣できなかった。

 注目されたのは、アニタ・アナンド元国防大臣。2021年10月に就任して以来、ロシアのウクライナ侵攻など難題に当たっていたが、今回は予算庁長官に就任。国防大臣には元緊急事態準備大臣のビル・ブレア議員が就任した。

 トルドー首相と親しいとされるドミニク・ルブラン州政府間関係大臣は、公安大臣を兼任する。住宅問題・インフラ・コミュニティ大臣には元移民大臣のショーン・フレーザー議員が若干39歳で就任。トルドー政権にとって次期選挙までに大きな課題となる住宅問題に当たる。

 現在開催されているFIFA女子ワールドカップの1次ラウンドで敗退したサッカー女子代表とサッカーカナダとの問題などに当たるスポーツ大臣には元雇用・労働力開発・障害者対策大臣のカーラ・クアルトゥロウ議員(ブリティッシュ・コロンビア州選出)が再就任。本人もパラリンピックに出場した経歴を持つ。

 フェイスブック・インスタグラムを運営するMetaのカナダニュース排除問題などに当たる遺産大臣には元スポーツ大臣のパスカル・セント‐オンジ議員が就任した。

 今回の内閣改造で変更がなかったのは、クリスティア・フリーランド副首相兼財務大臣、メラニー・ジョリー外務大臣、フランソワ-フィリップ・シャンパーニュ革新・科学・産業大臣などの主要閣僚。

 新人では、新しく創設された市民サービス省の大臣にBC州バーナビーノース‐シーモア選挙区のテリー・ビーチ議員が就任した。

 トルドー首相は、「住宅、生活費のインフレ、金利など、我々は大きな経済的課題に直面している」と記者会見で語り、新閣僚と新たな挑戦にフレッシュなエネルギーを取り入れることは経済チームにとって重要だったと説明した。今回の内閣改造でも、トルドー首相を除いて、大臣は女性19人、男性19人で男女同数となっている。

 次期選挙は2025年秋の予定。7月26日にアバカスが発表した世論調査の結果では、保守党支持が38%で自由党の28%を上回っている。

(記事 編集部)

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