「若い人に選挙に関心を持ってもらいたい」Crescent Moon Enterprisesオーナー佐藤広樹さんに聞く(後編)

足立区議選挙に立候補して、選挙活動期間中に地元で街頭演説する佐藤広樹さん。2023年5月17日、東京都足立区。Photo by Japan Canada Today
足立区議選挙に立候補して、選挙活動期間中に地元で街頭演説する佐藤広樹さん。2023年5月17日、東京都足立区。Photo by Japan Canada Today

 バンクーバー市ガスタウンにある雑貨屋さんGIFT&THINGSとウィスラーにある姉妹店SMILE GIFTを運営するCrescent Moon Enterprises Ltd.オーナー佐藤広樹さんが、今年5月に実施された足立区議選挙に立候補した。当選はできなかったものの、得るものが多くあったという。

 日本の選挙と言えば投票率の低さや立候補者の減少などネガティブな面が強調されるが、自身が立候補して感じたことはポジティブなことも多かったと話す。

 7月7日、バンクーバーに滞在中の佐藤さんに立候補した側から見た選挙、そして、GIFT&THINGSで店長を務める久保ゆうやさんも同席し若者の目線で佐藤さんの立候補がどのように映ったのかなど、2人に話を聞いた。

 前編は選挙に参加する意義について紹介した。「まずは選挙に関心を持ってもらって投票に行ってもらう。投票に行こうと思えば、立候補者を調べたり、そこから行政や税金などにも関心が高まります」と佐藤さん。それは区議選でも、国政選挙でも同じこと。まずは選挙に関心を持ってもらいたいと語っている。立候補を経験して、選挙活動の良さを体験し、問題点も見えた。1票の大切さも身をもって感じたという。

 後編では、若者へのメッセージ、そして若い人から見た選挙を紹介する。

若い人に選挙に関心を持ってもらいたい

 佐藤さんの思いはもう一つ、若い人に選挙に関心を持ってもらいたいということ。それは、立候補でも、投票でも、どちらでも構わない。

 久保さんは、今回立候補した佐藤さんを身近で見て、自分の選挙区のことについて調べてみたという。「今まではそういう世界のことは考えたことはなかったですけど、身近なところで見る機会があって、そういうオプションもあるのかなぁって見ていました。選挙のことを勉強するきっかけにもなりました」

 現在はバンクーバーでGIFT&THINGSの店長を任され、すぐに自分も立候補というわけではないと笑ったが、「佐藤さんと話すことで影響を受けるというか、選挙に行こうと思ったり、選択肢としてそういう未来もあるのかなぁと感じたりしましたね」

 それを聞いてうれしそうに笑った佐藤さん。「きっかけになったことはすごく良いと思う。よかった。夢を持つことはすごいこと。自分がこんなこともできる、あんなこともできるって、ワクワクします。僕の年でも挑戦できるわけですから、若い人にはどんどん挑戦してもらいたいです」

 それにと前置きして、「議員さんって兼業できますから。自分のやっていることと兼業しながら、それを政治にも生かせる。まあ、逆に兼業しないと収入足りないということもあるみたいですけど(笑)」。若い人に二刀流のススメだ。

 佐藤さん自身は次も足立区で立候補したいと考えている。「最後は原点のところで役に立ちたいなと」。そして、カナダが大好きで、カナダの良いところを日本に伝えたいと思っている。「議員には色々なバックグランドの人がいていいと思うんです」

 これからしばらくはバンクーバーと東京を行ったり来たりしながら、社会活動とビジネスの二刀流でいくという。「ぼくはカナダに来てよかったので、足立区の人にもカナダに来てもらいたいんです。カナダとの交流も促したいし、カナダのエコの取り組みも紹介したい。やりたいこといっぱいあります。少しずつ、思ったことが現実になっていくと楽しいです」と笑顔を見せた。

佐藤広樹(さとう・ひろき)
Crescent Moon Enterprises Ltd.オーナー・代表取締役
1998年ウィスラーにSMILE GIFT、2008年バンクーバーにGIFTS AND THINGSを開店
2023年3月設立、一般社団法人「東京のCO2削減で都内観光を推進する会」代表理事(https://www.tokyo-co2.com/
東京都足立区出身

佐藤さん(左)と久保さん。GIFT AND THINGS店内で。写真提供:佐藤広樹さん。
佐藤さん(左)と久保さん。GIFT AND THINGS店内で。写真提供:佐藤広樹さん。

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