8月の失業率は横ばいの5.5%、副業は5.4%

 カナダ統計局が9月8日に発表した雇用統計によると、8月の雇用者数は4万人増(0.2%増)で、失業率は5.5%で横ばいとなった。失業率は、5月、6月、7月と3カ月連続で上昇していたが、4カ月ぶりに減少が止まった。

 業種別では、専門・科学・技術サービス業で52,000人(2.8%)と建設業34,000人(2.2%)で雇用が増加。一方、教育サービス業で44,000人(2.9%)、製造業30,000人(1.6%)で減少した。

 地域別では、アルバータ州18,000人増(0.7%増)、ブリティッシュ・コロンビア州12,000人増(0.4%増)、プリンス・エドワード島州1,800人増(2.0%増)となったが、ノバスコシア州では3,600人減(0.7%減)だった。

 8月の自営業者数は5万人増(1.9%増)で、9カ月ぶりの顕著な増加となった。

 平均時給は、前年同月比で、7月の5.0%上昇に続き、8月は4.9%上昇で金額では1.56ドル増の33.47ドルとなった。

副業をしているのは5.4%、移民や低賃金者で多い傾向

 労働者の5.4%にあたる約100万人が複数の仕事を持っていることが分かった。この数字は前年同月とほぼ同じ。

 副業をしているのは、女性(6.2%)が男性(4.7%)を上回り、15歳から24歳の若年労働者(7.1%)やカナダに入国して10年未満の移民者(6.9%)も複数の仕事を持つ傾向が強かった。黒人(7.4%)とフィリピン人(8.0%)で複業率は平均を上回った。

 複数の仕事を持つ労働者の割合は、低賃金労働者ほど高い傾向にある。8月の調査では、本業の週給が800ドル未満の労働者では7.5%だったのに対し、800ドル以上の労働者では4.2%だった。

 統計局によると、複数の仕事を持つ人の34.9%が、複数の仕事をする主な理由は必要不可欠な費用を支払うためと回答。この結果を「雇用の質に関する調査」のデータと比較すると、必要に迫られて複数の仕事をする多重債務者の割合は、新型コロナウイルス感染拡大前よりも高くなっている可能性が示唆されるとしている。2020年2月または3月上旬では、必要な費用を賄うために複数の仕事を掛け持ちしていたと答えたのは20.6%だった。

 その他の理由としては、34.8%が副収入を得るためと答え、情熱を持っている分野で働くためは14.5%にとどまった。

 また、カナダに入国して10年未満の移民労働者の50.8%が、複数の仕事を持つ主な理由は必要不可欠な生活費のためであると回答した。これに対し、カナダ生まれの労働者では29.8%だった。人種別では、アラブ系76.2%、ラテンアメリカ系63.1%、フィリピン系51.4%で、必要不可欠な生活費を支払うために複数の仕事をしている割合が顕著に高いことが分かった。

在宅勤務者は昨年より減少

 在宅勤務者の割合は13.6%で、2022年8月時点に比べ3.2%減少した。過去12カ月で在宅勤務者の割合が最も減少したのは、11.9%減の行政で20.8%、金融・保険・不動産・賃貸・リースは7.9%減の30.2%、専門・科学・技術サービスが6.5%減の40.8%だった。

 労働者の10.3%、約210万人が、ハイブリッドワーク、自宅と会社などの自宅以外の場所で働いていると答えた。これは2023年5月の10.0%とほぼ同じだったが、2022年8月の8.6%と比べると1.7%上昇した。

 労働市場においてハイブリッド型勤務形態が一般的になりつつある。8月にハイブリッド型勤務形態をとった労働者全体では、火曜日(50.2%)、水曜日(51.4%)、木曜日(48.3%)に通勤することが多く、月曜日(42.4%)、金曜日(37.1%)、土曜日(3.8%)、日曜日(2.8%)に通勤する割合は少なかった。

(記事 編集部)

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