BC州政府が公共スペースでの違法薬物使用禁止を目指す

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州は10月5日、公共の場での違法薬物使用を禁止する法案を発表した。可決されれば、建物の半径6メートル以内、バス停の6メートル以内、プレイグラウンドやスプレープール・浅い子ども用プール、スケートパークの15メートル以内、そして公園、ビーチ、スポーツフィールドでの薬物使用が禁止される。

 マイク・ファーンウォース公安大臣によると、この法案は刑罰を与えるものではなく、違反者は使用を中止するか他の場所に移動することを求められる。法案は、タバコやアルコール、キャナビス(大麻)の規制に沿ったものだという。

 薬物死の増加で、7年にわたって非常事態宣言が出されているBC州では、薬物所持の非犯罪化が進められている。デイビッド・イービー州首相は、今回BC州全体の法制定を行うことについて「(州内の)各自治体が公共の場での薬物使用に懸念を示し、独自の条例を制定している」ことが背景にあるとしている。

 しかし今回の法案には反対の声も上がっている。CBC電子版の取材に対し、Harm Reduction Nurses AssociationのCorey Ranger議長は「(非犯罪化の流れから)後退するもの」と批判。「人々はドラッグ使用を隠すことを余儀なくされ、汚染された薬物を使うようになる」とし、こうした要因が薬物死につながると懸念している。

(記事 編集部)

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