終活は新しい大人のマナー
叶多範子
10月に入り、秋がますます深まっていますね。私の周りでは、この素晴らしい季節を日本で過ごすために一時帰国する人が多いです。紅葉が始まり、街は色とりどりに染まってくる頃です。秋ならではの美味しい食べ物や行事も多い時期ですね。
前回の記事では、簡単に出来る方法の1つとして「大切な人たちを繋いでおく」をご紹介しました。海外に住む私たちは、まずは自分の身近な人たちを繋いでおくことの大切さと、その理由を紹介させていただきました。
今回は、え?こんなことも終活??と思われる(かもしれない)ことを2つご紹介したいと思います。
>>簡単に始められる海外終活<<
2−1. 感謝の気持ちを、日頃から伝えておく
- 相手が生きているうちに、気持ちが伝わるうちに
- 自分が元気なうちに、伝えられるうちに
ささいなことでも、日頃から感謝の言葉が自然にすぐに出るという人も多いと思います。
「いつも迎えにきてくれて、ありがとう」
「美味しいご飯をいつもありがとう」
「一緒に謝ってくれて、ありがとう」
「練習に付き合ってくれて、ありがとう」
感謝されて照れくさい人はいても、嫌な気持ちになる人はいないでしょう。
なまいきざかりで口ごたえも多いティーンの息子2人と、たまにわからずやになるだんながいる我が家でも、いまでも心がけているのは、朝出かける前に口論や喧嘩をしないこと。憎まれ口を叩きながらでも、お手伝いをしてくれたら、文句を言いたくなるのを堪えながらでも、私からお礼を言うようにしています。たまに「ありがとうは?」と私から催促することもあります。
一日の始まりに喧嘩したままだと、ずっとむしゃくしゃした気持ちになりますし、「いってきます」といった人が、「ただいま」と帰ってきてくれなかったら、「ごめんなさい」という機会を永遠に失い、きっとずっと後悔すると思うからです。
それと同じように高齢の両親へも、感謝の気持ちを伝えたいと思いつつ、照れくささもあって、なかなか出来ないことが多いので、これも自分への戒めとして気をつけて伝えるように努力しているところなので、あまり偉そうには書けないのですが。
2−2. 自分大好き!自分にありがとう!!
上記の「ありがとう」を伝えるとき、自分もその中に入っていることに気づかれたでしょうか?この世に生を受け、山あり谷あり、さまざまな試練や悲しみを乗り越えてきた自分。今まで頑張って生きてきた自分を褒めて受け入れ、自分自身にも「ありがとう」を言ってみましょう。
何もわざわざ鏡の前に立ち、自分自身に向かって「ありがとう」と言う必要はありません。この文章を読みながら、「私ってすごいな」「頑張ってきたな」と思いながら、心の中で自分に感謝の言葉を贈ってみてください。このときに「私、俺なんて、、」とか「そんな誇れるもんじゃないし、、」「大したことしてないし、、、」という肯定感の低い前置きは不要です!
まず大切なのは、どんなときもあなた自身が自分の理解者であり、味方であり、価値ある愛すべき存在であることを認識することです。これが抵抗なくできたら、きっと自然にご両親やご先祖さま、周りの人への感謝の念が湧いてくるでしょう。そんなことも終活の1つなのです。
*このコラムは終活に関する一般的な知識や情報提供を目的とするものです。内容の正確さには努めておりますが、必要に応じてご自身で確認、または専門家へご相談ください。
「Let’s海外終活~終活は新しい大人のマナー」の第1回からのコラムはこちらから。
叶多範子(かなだ・のりこ)
海外終活アドバイザー
「なんの準備もなく、認知症になられて困った!」、「終活をせずに亡くなったため、わからないことだらけ!争いが起きた!」という人を少しでも減らしたいという思いから終活アドバイザー資格を取得。特に海外に住んでいる日本人の方を対象とした、あなたと大切な家族のための「海外終活」を学べる講座や相談会の詳細は、ブログやフェイスブックでご確認いただけます。
ブログ: https://globalmesen.com/
Facebook: https://www.facebook.com/noricovancouver
終活の基礎知識がさらっと学べる、書籍「海外在住日本人のための50代からの終活」を出版しました。
書籍(アマゾンカナダ):https://a.co/d/fjF2nfD
家族はカナダ人の夫+息子2人+猫1匹、バンクーバー在住。
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