日本カナダ商工会議所(Japan Canada Chamber of Commerce: JC-COC)の年次総会が10月27日、バンクーバー市内で開催された。今年で設立20周年を迎えた同会は、ビジネスを通した日本とカナダをつなぐ役割をより活発にしていくことを再確認した。
総会では、昨年度(2022年7月1日~2023年6月30日)の会計や活動内容を報告。活動では1年間を通してさまざまなイベントを開催、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)で開催された日系コネクトフェア、ニューウエストミンスター市でのHyack International Parade、守口市とニューウエストミンスター市の若者をオンラインでつないだ姉妹都市プロジェクト、海岸の清掃を行う海活などが報告された。
また今年度の理事・役員も紹介。会長はサミー高橋、副会長はケーシー若林、疋田拓也、ウィットレッド太朗、理事は渡部句美子、田尻純一、加藤真理、鈴木美和、カレン・ベーカー・マクグロッティ、法務担当マトソン悠治、会計担当原﨑映理子、ウェブ・IT担当宮鍋建樹(敬称略・順不同)の12人。
今年度の活動計画としては、今年11月5日に開催される立命館大学主催の「櫻井広行さんバンクーバーで講演会と防災ワークショップ」を協賛するほか、2025年大阪万博プロジェクト、横浜・バンクーバー姉妹都市60周年プロジェクト準備などが新たな企画として発表されたほか、昨年度から引き続き、海活、JETAABC共催EDOMAEセミナーなども開催予定。
今年度の活動としては9月に関西圏起業家11人のバンクーバー訪問プロジェクトを主催。横浜市からも関係者が同行し、2025年姉妹都市60周年プロジェクト準備の第1歩となった。
年次総会の後は、講演会と食事をしながらの懇親会となり、にぎやかな雰囲気の中で親睦を深めた。
「個性と感性を大切にした開かれた会でありたい」
年次総会の後には2003年発足当初からかかわり、会長も務めた名誉理事ゲイリー・マトソン氏が講演した。20年間を振り返り、同会が発足するきっかけを作った初代会長・故小松和子氏の果たした役割の大きさや、その後の歴代会長、会員たちの「良いアイデアを実行するエネルギーに敬意を表する」と語った。
また自身は2007~2009年に会長を務め、思い出に残っているのは2009年天皇皇后(当時)のバンクーバーご訪問。「その時の晩さん会での天皇陛下とカナダ総督のスピーチやディナーが印象に残っている」と話し、当時のディナーメニューやスピーチ内容が書かれたカードを持参して紹介した。
20年間携わってきた会への思い出は尽きず、歴代会長の思い出を楽しそうに話した。そして「商工会に参加してコミュニティにこういう形で貢献できることは、おもしろく、そしてやりがいを感じた20年だった」と締めくくった。
2018年12月から会長を務め今期で3期目となる高橋会長は設立について、「創設者の故小松和子さん、元会長、名誉理事の津田佐江子さんはじめ、ほかの3人の方々が中心に設立されました」と説明した。自身は、3年間理事を務めたが2017年に一度離職、その後、「小松和子さんがお亡くなりになった2018年の夏に理事として復帰しました」と同会との関りを振り返った。
「弊会は公用語として英語を会議やイベントで使用しており、日本人のみならず、幅広く日本とカナダをつなぐビジネスに関わっている企業や個人を会員に募っています。今後とも個性と感性を大切にした開かれた会でありたいと考えております」と、これからの日加商工会について語った。
日本カナダ商工会議所(Japan Canada Chamber of Commerce)
2003年設立。連邦登録しているカナダで唯一の日系ビジネス非営利団体。
会員構成は、主にカナダでビジネスを経営している企業、個人、そのビジネス関連に興味を持つ企業、個人。(日本カナダ商工会議所ホームページより抜粋)
ウェブサイト:https://jc-coc.org/
(取材 三島直美)
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